2021 Fiscal Year Annual Research Report
視床下部を介した新規老化抑制機構の解明ー健康寿命の延伸を目指してー
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19H04035
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
小森 忠祐 和歌山県立医科大学, 医学部, 准教授 (90433359)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 健康寿命 / 視床下部 / 老化 / FGF23 / αKlotho |
Outline of Annual Research Achievements |
我々はこれまで、αKlothoヘテロ欠損マウスの視床下部において、絶食後のneuropeptide Y(NPY)やagouti-related protein(AgRP)の発現増加が抑制されること、また、fibroblast growth factor(FGF)23の脳室内投与により視床下部におけるNPYやAgRPの発現が増加することを明らかにしている。昨年度、NPYやAgRPが増加している原因として絶食時に視床下部でおこるオートファジーを検討したが、野生型マウスとαKlothoヘテロ欠損マウスの間に差が認められなかった。そこで、本年度は、神経活動に影響を及ぼし、αKlothoとの関連性が指摘されている(Zhu L et al., Proc Natl Acad Sci USA, 2018)視床下部における炎症性変化について検討した。絶食時の野生型マウスの視床下部において、炎症性サイトカインであるtumor necrosis factor(TNF)-αやinterleukin(IL)-1βの発現やミクログリアの数に低下傾向が見られた。しかし、αKlothoヘテロ欠損マウスでは、絶食によるそれらの低下が抑制されていた。また、野生型マウスでは、神経活動の指標であるc-fosの発現が絶食時の視床下部において増加したが、αKlothoヘテロ欠損マウスでは、絶食によるそれらの増加が抑制されていた。TNF-αやIL-1βは、視床下部におけるAgRP陽性神経細胞の活動を抑制することが知られている(Chaves FM et al., Int J Mol Sci, 2020)。今回の結果より、αKlothoは、絶食時の視床下部において、直接的な神経細胞への作用に加え、TNF-αやIL-1βの発現を抑制することによりAgRP陽性神経細胞の活動を亢進させている可能性が示唆された。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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