2019 Fiscal Year Annual Research Report
老齢動物の組織に存在する老化細胞の同定とその除去による個体寿命延長効果
Project/Area Number |
19H04043
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Geriatric Hospital and Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
石神 昭人 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究部長 (50270658)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 真一 金沢大学, 医薬保健学総合研究科, 特任教授 (00313099)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 老化 / 老化関連遺伝子 / 老化細胞 / トランスクリプトーム解析 / シングルセル遺伝子発現解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
若齢動物の組織には、細胞機能に異常のない「若い細胞」のみが存在する。一方、老齢動物の組織には、細胞機能が衰退、異常化した「老化細胞」が存在し、その数も加齢に伴い増加することが予想される。本研究では、シングルセル(1細胞)遺伝子発現解析(Nx1-seq)により、老化に関連した遺伝子をシングルセルレベルで包括的に探索、同定する。 シングルセル遺伝子発現解析による、老化関連遺伝子の探索研究は順調に進行している。私たちが用いている「老化関連遺伝子」とは、必ずしも老化を制御するなど、老化機構に直接関与する遺伝子を意味するのではなく、加齢による二次的、および三次的に変動する遺伝子もすべて含む総称として老化関連遺伝子と定義する。令和元年度、老齢(27月齢)と若齢(6月齢)のラット肝臓の実質細胞を用いて、老齢で発現量が大きく変動する遺伝子を探索した。そして、4種類の有力な老化関連遺伝子(AGs: Age-associated genes)に絞り込んだ。これら4種類の老化関連遺伝子について、老化や加齢との関連性を明らかにするため、また異なる動物種でも同様の現象が見られるかを確認するため、解析動物をラットからマウスに変更した。そして、若齢から老齢まで様々な月齢(3, 6, 12, 24, 32-34月齢)のマウス肝臓を用いてqPCRによる遺伝子発現の加齢変化を解析した。そして、最終的に加齢変化を示す3種類の老化関連遺伝子(遺伝子名を明らかにできないためAG-1, AG-2, AG-3と表す)にまで絞り込むことができた。これら3種類の老化関連遺伝子は、今までに老化や加齢との関連性を示す研究報告はない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画に記載した内容を順調に行うことができた。また、非常に興味深い結果も得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
研究は概ね順調に進展している。現在、研究計画に変更や解決すべき課題等は特にない。
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Research Products
(10 results)