2019 Fiscal Year Annual Research Report
Circuit mechanisms underlying perception and preference of taste signals regulated by feeding and metabolism
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19H04062
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
渡部 文子 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (00334277)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 摂食行動 / 味覚 / 扁桃体 / マウス |
Outline of Annual Research Achievements |
摂食行動は満腹・空腹といった内的状態に制御される一方で、甘いものは別腹といったように味覚情動にも左右されることは広く知られるがその相互作用には不明な点が多い。さらに食習慣は代謝疾患や生活習慣病などにも直結し、一見、脳とは関係ない多くの代謝疾患において味覚障害や摂食行動異常といった情動制御の破綻がみられるなど、代謝を介した味覚情動と摂食行動との制御も示唆されるものの、その実態や制御メカニズムはほとんどわかっていない。近年、レプチンが末梢組織のエネルギー代謝を反映すること、視床下部の神経核がレプチンによるエネルギー代謝と糖代謝制御に直接関与すること、視床下部神経核が脳幹の腕傍核に投射することで腕傍核から扁桃体への経路を介した疼痛抑制作用を担うこと、などが相次いで報告されてきた。そこで、本研究では我々が実績を持つ脳幹から扁桃体に直接入力する神経回路(直接経路)に着目する。従来の研究では食欲制御は視床下部、情動制御は扁桃体とそれぞれ個別に研究が進められてきたが、本研究では摂食行動と情動制御のハブとしての直接経路の制御機構を特に可塑性という側面から可視化・操作を行い、さらにその生理的意義を明らかにすることを目的とする。本年度は、味覚情動を制御する中枢を中心に経験依存的な味覚情動の可塑性に関与する神経核を解析し、複数の候補領域とそれぞれ特異的細胞種の絞り込みを行った。さらに、摂食行動を制御する神経核の細胞種特異的な解析を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度は味覚情動を制御する中枢を中心に経験依存的な味覚嗜好性可塑性に関与する神経核を解析し、複数の候補領域とそれぞれ特異的細胞種の絞り込みを行っている。さらに、摂食行動を制御する神経核の細胞種特異的な解析を進め、個体レベルで光遺伝学的手法により操作介入する実験系を構築中であり、腕傍核における細胞種特異的可視化と操作も順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は代謝疾患モデルを用いた組織学的解析系を立ち上げる。また、領域特異的・細胞種特異的にエネルギー代謝を制御するための遺伝子改変マウスの導入とウイルス操作も行う。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] Pathogenic POGZ mutation causes impaired cortical development and reversible autism-like phenotypes2020
Author(s)
Kensuke Matsumura, Kaoru Seiriki, Shota Okada, Masashi Nagase, (28名), Ayako M. Watabe, Hideyuki Okano, Kazuhiro Takuma, Ryota Hashimoto, Hitoshi Hashimoto, Takanobu Nakazawa.
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Journal Title
Nature Communications
Volume: 11
Pages: 859-859
DOI
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[Presentation] ASD-associated de novo POGZ mutations disrupt cortical development.2019
Author(s)
Matsumura K, Seiriki K, Nagase M, Ayabe S, Yamada I, Furuse T, Yamamoto K, Kitagawa K, Baba M, Kasai A, Ago Y, Takano AH, Shintani N, Iguchi T, Sato M, Yamaguchi S, Tamura M, Wakana s, Yoshiki A, Watabe AM, Okano H, Takuma K, Hashimoto R, Hashimoto H, Nakazawa T.
Organizer
Neuroscience 2019
Int'l Joint Research
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[Presentation] ASD-related de novo POGZ mutations disrupt cortical neuronal differentiation.2019
Author(s)
2.松村憲佑, 勢力薫, 永瀬将志, 綾部信哉, 山田郁子, 古瀬民生, 山本果奈, 北川航平, 猪口徳一, 佐藤真, 山口瞬, 田村勝, 若菜茂晴, 吉木淳, 渡部文子, 岡野栄之, 田熊一敞, 橋本亮太, 橋本均, 中澤敬信.
Organizer
第42回日本神経科学大会・第62回日本神経化学会大会