2019 Fiscal Year Annual Research Report
Establishing theoretical foundation of optimal evacuation planning based on dynamic networkflows
Project/Area Number |
19H04068
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
加藤 直樹 兵庫県立大学, 情報科学研究科, 教授 (40145826)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東川 雄哉 兵庫県立大学, 情報科学研究科, 准教授 (20749486)
瀧澤 重志 大阪市立大学, 大学院生活科学研究科, 教授 (40304133)
藤江 哲也 兵庫県立大学, 情報科学研究科, 教授 (40305678)
照山 順一 兵庫県立大学, 情報科学研究科, 助教 (40709862)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 最速避難流問題 / 最適避難施設配置問題 / 動的フローネットワーク / 不確定的状況下での最適化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は以下の結果を得た. (1)「同じ場所にいる避難者は同じ施設に避難する」という仮定を緩和した一般的なフローモデルにおいて,パスネットワーク上の総避難時間最小化シンク配置問題に対する多項式時間アルゴリズムの開発に成功した.本結果は,国際会議The 30th European Conference on Operational Research (EURO 2019)において発表された. (2)一様辺容量のパスネットワークにおいて,総避難時間に基づく最大後悔最小化シンク配置問題に対する多項式時間アルゴリズムを開発した.本成果は,日本オペレーションズ・リサーチ学会2020年春季研究発表会,電子情報通信学会コンピュテーション研究会において発表された. (3)大阪市において,南海トラフの大地震に起因する津波と地震動により被害を受ける住宅から発生する2次避難者数を確率的に推定した.この成果は大阪市と進めている津波避難計画に生かされている. (4)複層階を有する教育施設をコンピュータ上に幾何的な空間モデルとして再現し,試験終了時の学生の一斉退館時の混雑の状況を,市販のマルチエージェントシミュレータを用いてシミュレートした.使用する階段の組み合わせを変えてシミュレーションを行い,退館時間や滞留場所の確認を行った. (5)動的フローネットワークモデルに基づく施設配置問題に関する既往研究を網羅したサーベイ論文を執筆し,査読付国際学術誌 The Review of Socionetwork Strategies, Springer に採録された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上述の成果(1)~(4)については,当初の計画通り成果が得られている. また,(5)については当初の計画にはなかったが,動的フローネットワークモデルに基づく施設配置問題に関する世界初のサーベイ論文であり,当該分野の発展に寄与することが期待される.さらに,本論文で総説されている内容は本研究課題による成果を含んでいるので,本研究課題による成果を発信する意味においても大きな意味を持つ. 以上より,本研究はおおむね順調に進展していると判断する.
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Strategy for Future Research Activity |
(1)(2)の成果をまとめ,査読付き国際会議または国際学術誌への採録を目指す.また,(1)(2)のテーマについてネットワーククラスの拡張を行う. (3)については,本年度の結果を用いて,2次の避難場所を小学校区単位で割り当てる,確率的な数理計画問題を定式化し,ソルバーを用いて求解する. (4)については,本年度のシミュレーション結果をもとに,複層階を有する構造における避難計画問題の動的フローネットワークによる定式化を行い,ソルバーを用いて求解を行う.
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Research Products
(12 results)