2020 Fiscal Year Annual Research Report
New theoretical basis of large scale dynamic distributed systems based on uncertain information and its applications
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19H04085
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
増澤 利光 大阪大学, 情報科学研究科, 教授 (50199692)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
首藤 裕一 法政大学, 情報科学部, 准教授 (50643665)
角川 裕次 龍谷大学, 先端理工学部, 教授 (80253110)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 分散システム / 分散アルゴリズム / 動的ネットワーク / 不確かな情報 / 大域タスク |
Outline of Annual Research Achievements |
大規模動的ネットワークで動作する分散システムでは,各ノードが情報を収集する間にネットワーク環境が変動しうる.このため,各ノードが収集した大域情報は不確かさを伴う.そこで本研究では,不確かな大域情報を前提とする分散アルゴリズムの可能性を追求することによって,現実的な環境で大域タスクを実現する分散システムの新たな理論的基盤の確立を目指す.これまでに,以下の課題に取り組み,一定の成果を得た. 1.ノードが収集した大域情報の不確かさを反映した新たなモデルの提案:大域情報の不確かさを反映した新たなモデルとして,動的ネットワーク環境において,各ノードが利用可能な情報を局所的な情報に限定したモデルを提案した. 2.大域タスクが実現できるために必要な大域情報の正確さの度合の解明:大域タスクを実現するには,各ノードにおいてどのような大域情報がどの程度の正確さで利用できればよいかの解明を目指した.具体的には,動的ネットワーク環境において,さまざまな分散システムで利用される情報散布という基本的かつ重要なタスクが実現可能となるために,各ノードでどの程度の範囲の局所情報を必要とするかを解明した. 3.大域情報の範囲や正確さの度合いが,大域タスクの達成可能な正確性や効率に及ぼす影響の解明:大域情報の範囲や正確さの度合いが,実現できる大域タスク の正確性や効率に与える影響の解明を目指した.具体的には,さまざまなタスクに対し,各ノードが利用可能な情報がこれらのタスクの処理効率や精度に与える効果について,いくつかの結果を示した.また,訪問ノードで情報を収集し,得られた不確かな大域情報を利用してタスク処理を行うモバイルエージェントに関する研究を進めた.さらに,動的ネットワークにおいて,不確かな情報によって不都合な状況に陥ってもいずれ正当な状況に復帰できることを保証する自己安定分散アルゴリズムに関する研究を進めた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り,以下の研究テーマに取り組み,「研究実績の概要」に述べたように,一定の成果を上げることができた.そのため,おおむね順調に進展していると考えている. 1.ノードが収集した大域情報の不確かさを反映した新たなモデルの提案 2.大域タスクが実現できるために必要な大域情報の正確さの度合の解明 3.大域情報の範囲や正確さの度合いが,大域タスクの達成可能な正確性や効率に及ぼす影響の解明
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Strategy for Future Research Activity |
大規模動的ネットワークで動作する分散システムにおいて,各ノードが収集した不確かな大域情報を前提とする分散アルゴリズムの可能性を追求することによって,現実的な環境で大域タスクを実現する分散システムの新たな理論的基盤の確立を目指す.次年度には,当初の予定通り,以下の課題に取り組む. 1.ノードが収集した大域情報の不確かさを反映した新たなモデルの提案 2.大域タスクが実現できるために必要な大域情報の正確さの度合の解明 3.大域情報の範囲や正確さの度合いが,大域タスクの達成可能な正確性や効率に及ぼす影響の解明
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Research Products
(15 results)