2021 Fiscal Year Annual Research Report
実世界データストリームの高次理解に基づくサイバー空間モビリティ構築技術
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19H04095
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山口 弘純 大阪大学, 情報科学研究科, 教授 (80314409)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣森 聡仁 大阪大学, 経営企画オフィス, 准教授 (90506544)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 高度交通システム / シミュレーション / モビリティ |
Outline of Annual Research Achievements |
動画像やセンサーデータストリームからの高精度モビリティ抽出技術の開発を引き続き実施し,国際会議3件の論文発表を行っている.特に,(1) 複数地点での車両観測映像からの車両情報の抽出ならびにそれを用いたマクロ交通流の再現技術,(2) 複数のドライブレコーダーの映像からそれらの撮影地点を推定する技術,ならびに (3) 複数の距離センサーを用いて歩行者の位置を高精度に検出する技術を開発した.いずれも実環境における精度評価を行っており,社会実装に向けた成果創出を行っている.(1)では兵庫県の自治体と協力し,個々の車両の挙動データを地域レベルで再現することを目的とし,地理的に分散配置された複数の交通監視カメラから得られる映像を解析し,得られるデータを用いて対象地域全体の車両モビリティを自動的に合成する手法を提案した.固定カメラから得られた映像に対し,通行車両数や方向,速度を抽出する映像トラッキングを適用している.また市街地における車両の発着地点間の経路候補をマクロ交通シミュレータを用いて探索する.ミクロ交通シミュレータを用いて,測定した交通量と生成した交通量間の平均絶対パーセント誤差 (MAPE) が最小となるよう,ミクロ車両モビリティを生成している.(2)では,複数のドライブレコーダーにより撮影された映像が異なる時刻や撮影アングルで同じ風景を捉えていることを画像特徴量から検出し,それらの撮影地点を推定する方法を提案するとともに,実データを用いた検証を行っている.(3)では,複数の三次元距離センサーにより捉えられた三次元点群を用い,カルマンフィルターを拡張した手法を用いた人流計測手法を開発した.都市部繁華街に設置したセンサー8台から得られた広域の三次元点群を継続的に収集したデータを用いて提案手法の評価を行っている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
動画像およびセンサーデータストリームを用いた車両や歩行者のミクロおよびマクロ行動ならびに周辺状況の理解技術は順調に開発が進んでいる.昨年度に開発したマルチレーンの検出技術に加え,今年度は精細人流とモバイルセンサのデータ取得地点推定,およびマクロ交通の再現と理解技術を開発することができ,さらにそれらのいずれも実環境における評価を行っている.特にマクロ交通についてはシミュレーションデータとの同化技術が特徴であり,本研究開発で目標としていた手法を計画通り実現したものである.その意味でも当初の計画に沿って順調に進めており,国際会議3件の発表も実施している.概ね順調と考える.
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度に向けて,個々の推定技術のさらなる精度向上を目指したい.要素技術はおおよそ確立できたと考えられるため,実データを用いた課題抽出と手法へのフィードバックを行い,全体技術の確立を目指す.
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