2019 Fiscal Year Annual Research Report
Highly-reliable IoT platform based on autonomous collaboration of edge cooperation and secure computation
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19H04101
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
佐藤 文明 東邦大学, 理学部, 教授 (40273164)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金岡 晃 東邦大学, 理学部, 准教授 (00455924)
白鳥 則郎 中央大学, 研究開発機構, 機構教授 (60111316)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | エッジコンピューティング / IoTプラットフォーム / 秘密分散 / 負荷分散 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、エッジコンピューティングにおいて高い信頼性と安全性を提供することで、高信頼型IoTプラットフォームを形成することである。 2019年度においては、(1)複数のエッジサーバとクラウドサーバから、通信コストと負荷の状況を考慮して、秘密計算を分散するアルゴリズムを確立する。また、秘密計算処理を適切なエッジサーバまたはクラウドに依頼し、実行させるための移動エージェントに基づくクラウド・エッジ間連携プラットフォームを設計する。そして、(2)複数のエッジサーバやクラウドの負荷や通信コスト、信頼性に応じて、ゲーム理論によるコストと性能の利得を最大化する秘密分散アルゴリズムを確立する。そして、(3)その事例の一つとして、電動車椅子利用者の位置情報を管理し、屋内ナビゲーションシステムへの適用を行い実現性の評価を実施することが目標である。 (1)については、農業分野における害獣検知システムにおいて、監視カメラ画像を認識する際にクラウドとエッジ間の負荷を分散する研究を実施した。エッジにおいてターゲットとなる害獣の動的な学習を行うことで、エッジでも高速に検知できるようにし、従来のクラウド型に比べて高速化を達成した。(2)では、秘密分散型における秘密計算で、文字列検索を効率よく実施するアルゴリズムを提案している。(3)では、クラウドとエッジが連携をして画像認識によって自己位置を決定し、電動車いすを自動運転するシステムを構築した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2019年度では、エッジとクラウドを用いて負荷の分散や高い性能を実現するためのプラットフォームを、いくつかのアプリケーションに応じて構築しており、その効果も評価してきた。成果として、農業分野における害獣検知プラットフォーム、モバイルヘルスケアにおける機械学習を使ったモニタリングのプラットフォーム、電動車いすの自己位置推定と位置管理に関するプラットフォーム、高速道路における車両の前方画像を使った交通量と渋滞予測のプラットフォームを開発し、それぞれ国際会議に発表している。また、秘密分散型の秘密計算の改良と応用では、深層学習への応用について雑誌論文1件、国際会議2件、文字列検索への応用について国内会議3件に発表している。 これらの成果から、2019年度の目標の成果としては、概ね順調に進捗していると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度で構築されたいくつかのプラットフォームは、まだ個別に構築されている段階であり、共通部分をまとめて汎用的なプラットフォームに再構築する必要がある。2020年度は、そのための共通の開発環境やライブラリを構築していく。また、秘密計算の処理を安全に多数のエッジに分散する仕組みの構築が少し遅れているため、そちらの研究開発を加速する。そして、アプリケーションとして、長距離ドライバーの運転支援システムへの適用を目標とする。これは、ドライバーの心拍数変化によって運転手のストレスを検知し、疲労が高いドライバーに休憩支援をするものである。心拍数などのプライバシー情報を、複数のエッジに安全に分散して機械学習による計算を実施して、結果を求めるといった応用に適用し、プラットフォームの有効性を評価していく。
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