2021 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidating the origin of biometric authentication based on the acoustic characteristics of the ears with high resolution 3D MRI
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19H04112
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Research Institution | Nagaoka National College of Technology |
Principal Investigator |
矢野 昌平 長岡工業高等専門学校, 電気電子システム工学科, 教授 (90332006)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
南部 功夫 長岡技術科学大学, 工学研究科, 准教授 (40553235)
児玉 直樹 新潟医療福祉大学, 医療技術学部, 教授 (50383146)
和田 安弘 長岡技術科学大学, 工学研究科, 教授 (70293248)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 耳音響認証 / バイオメトリクス認証 / 核磁気共鳴画像法 / 外耳道形状類似度 / 被験者間音響特性類似度 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者が開発した耳音響認証は、耳穴の反射音特性(耳穴特徴量)を用いて常時認証を行う画期的な認証であり実用化に向けて研究開発が進んでいる。バイオメトリクス認証の一つに耳の音響特性を用いた耳音響認証がある.耳音響認証はユーザ毎で外耳道の音響特性に差異があることを利用した認証であり,常時認証が可能であるため新しいバイオメトリクス認証手法として注目されている.しかし,外耳道の音響特性に差異が発生する要因についての報告は少なく検討が十分とは言えない.本研究では,外耳道の形状と音響特性との関係に注目し実験的に検討を行った.核磁気共鳴画像法(Magnetic Resonance Imaging:MRI)を用いて1組の双子を含む4人の被験者の外耳道形状を測定し,被験者間の外耳道の形状類似度を算出した.また,同一被験者の外耳道の音響特性を測定し,被験者間の音響特性類似度を算出した.これらの結果を用いて被験者間の形状類似度と音響特性類似度の相関性について評価を行った.結果,相関係数0.7以上,決定係数0.5以上の関連性があることが分かった.これより被験者毎の外耳道の音響特性の差異が発生する要因の一つとして外耳道形状の差異が示唆された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
萌芽研究により得られた知見が本研究課題の遂行において大変有用に影響を及ぼしている。また、鼓膜より奥の音響的特性による影響は耳音響認証において、有意ではないと考えられる。外耳道入口より鼓膜に至る形状の被験者毎の異なりが音響特性に影響し、個人識別のキーとなっていると考えられる。本年度は被験者人数を増やしデータの信頼性を向上させること、およびディープラーニングによる特徴の可視化技術を用いてこれらのキーの幾何学的意味について説枚を行うことを目指す。これは、当初の目的以上の成果となる成功すれば学術的に高い意義を持つと思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度までに、1組の双子を含む4名の被験者において,MRI測定により外耳道形状を取得する外耳道形状測定実験を行った.外耳道薄切形状中心関数を導入し,被験者間で外耳道の形が似ているかを定量的に評価する外耳道形状類似度評価実験を行った.結果,外耳道形状を定量化し被験者間の形状類似度の関係性を得た.また,全体平均0.851と比較して,双子間では0.947となり約11.2%高く,参加した双子は外耳道形状も似ていると考えられる.次に同一被験者において外耳道音響特性を測定し,被験者間で外耳道の音響特性が似ているかを定量的に評価する外耳道音響特性類似度評価実験を行った。結果,被験者間での音響特性の類似度の関係性を得た.また,全体平均0.399と比較して,双子間では0.514となり約28.8%高く,本実験に参加した双子は外耳道音響特性も似ていると考えられる.これらの結果より外耳道の形状と音響特性の関係について,回帰分析を行い相関係数rと決定係数R2を導出し相関性を評価した.相関係数$r$は全被験者において0.7以上を,決定係数R^2は全被験者において0.5以上となり,外耳道形状と外耳道音響特性の類似度には関係が認められた.これらの事から,耳音響認証において各個人を識別する特徴量である外耳道の音響特性には,外耳道の形状が影響していると考えられる.今後は、これらの研究結果を論文により発表するとともに、萌芽研究にて得られた成果である、音響透過型のデバイスを用いて耳音響認証の認証精度の向上について実験的に検討を行う。
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