2019 Fiscal Year Annual Research Report
Entity-oriented Investment Big Data Analysis Foundation for Evidence-Based Investment Support
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19H04116
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
馬 強 京都大学, 情報学研究科, 准教授 (30415856)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
湯本 高行 兵庫県立大学, 工学研究科, 助教 (20453152)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 要因分析 / 事象分析 / 投資者分析 / エンティティマイニング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,ニュース・報告書,マーケット情報やユーザの投資履歴など多様な投資ビッグデータを横断して分析し,投資活動における重要なエンティティである,事象,投資商品および投資者の特徴とその相互関係を分析して,「金融・投資商品に影響を及ぼす要因(事象)」や「投資のエキスパートがいつ・何を取引したか」を明らかにする.これにより投資に必要な知識やエビデンスを発見して意思決定のプロセスと結果の可読性を向上させることで,従来サービスにおける一般投資者の不安を緩和し,安心して投資できる仕組みの構築に貢献する. 初年度では,事象がマーケットに及ぼす影響を明らかにする投資商品の要因分析基盤技術として,事象の抽出と関係推定手法および動的状態空間モデルを用いた要因分析手法について研究開発を行った.事象の抽出および関係推定に関する研究では,有価証券報告書には業績への影響の強い事象が明示的に書かれることに注目し,有価証券報告書から事象パターンを抽出し,これを用いて経済的な影響のある新着ニュースを発見する手法を開発した.要因分析技術では,トレンドごとに動的状態空間モデルを構築して要因分析手法をベースに,トレンドの変化点を干渉要因として導入したトレントシフトモデルの開発に成功した. 投資者の特徴分析基盤の研究では,ポートフォリオ理論を導入してソーシャルトレーディングサービスにおけるトレーダーの特徴分析技術の開発を行った.リスク管理やポートフォリオ理論を活用して,全投資者からなるポートフォリオの効率的フロンティア曲線を構築し,効率的フロンティア曲線までの距離に基づいて投資者をランキングする手法を開発した. 英文論文誌論文1本,国際論文1件と国内研究会発表3件(そのうち1件企業賞を受賞,1件学生プレゼンテーション賞を受賞)の成果発表を行って,順調に研究開発を進めている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度では,事象(要因)分析と投資者分析の既存研究の調査を進み,事象の抽出と関係推定技術,動的状態空間モデルを用いた要因分析技術及びポートフォリオ理論を導入した投資者のランキング手法を開発し,英文論文誌論文1本,国際論文1件と国内研究会発表3件の成果発表を行い,WebDBフォーラム2019 企業賞(Gunosy賞)や学生プレゼンテーション賞(DEIM2020)を受賞している.
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Strategy for Future Research Activity |
初年度の研究成果を踏まえて,投資ビッグデータからの投資知をマイニングする基盤技術である以下の項目について研究開発を行う. (1)投資商品の要因分析技術の研究開発:ニュースや投資商品の報告書などから事象情報を抽出して,事象間の因果関係,特に,事象が投資商品の価額や取引に及ぼす影響を定量的に分析する手法を研究開発する. (2)投資者の特徴分析技術の研究開発:ニュースや投資履歴を対象に,金融工学の知見を生かして,投資家の特徴(専門性,パフォーマンス,リスク,一貫性など)を分析する手法 について研究開発し,投資者特にエキスパートの投資行動の特徴とその暗黙知を明らかにしていく.
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Research Products
(6 results)