2020 Fiscal Year Annual Research Report
High performance linear solver for advanced computational electromagnetics
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19H04122
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
岩下 武史 北海道大学, 情報基盤センター, 教授 (30324685)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塙 敏博 東京大学, 情報基盤センター, 教授 (30308283)
伊田 明弘 東京大学, 情報基盤センター, 特任准教授 (80742121)
美舩 健 京都大学, 工学研究科, 講師 (20362460)
高橋 康人 同志社大学, 理工学部, 准教授 (90434290)
深谷 猛 北海道大学, 情報基盤センター, 助教 (30633846)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 計算科学 / 高性能計算 / 線形反復法 / 並列処理 / 電磁場解析 / 非定常解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
① 非定常,非線形電磁場解析における反復法の収束性改善に関する研究に取り組んでいる.本研究では,同一または類似の係数行列を有する連立一次方程式の求解において,過去の求解過程から取得した情報を用いる手法について研究している.2020年度には,2019年度に開発した手法,プログラムを元に行列データベース上の係数行列や電磁場有限要素解析プログラムを用いた数値実験を行い,本研究グループによる提案手法の検証を行った.本検証の結果,提案手法による収束性の改善効果が見られ,計算の高速化が可能であることが明らかとなった. ② ICCG法(不完全コレスキー分解前処理付き共役勾配法)の高性能なマルチスレッド並列処理のために,高い収束性とSIMDベクトル処理の両方を実現する手法(階層ブロック多色順序付け法)を2019年度に考案した.2020年度には,提案手法をOpenMPとSIMD命令により実装したプログラムに基づき,行列データベースから取得した行列を利用した数値実験を3種類の計算ノードで実行し,提案手法の有効性を検証した.数値実験の結果,提案手法はブロック多色順序付け法の長所である高い収束性と少ない並列同期点を維持しながら,前進・後退代入計算のベクトル化を可能にし,3種の計算機のいずれにおいても高い性能を示した.そこで,本成果をまとめ,国際学術論文誌において発表した. ③ 時間方向並列処理に加えて空間方向への並列処理を行う時空間並列処理手法について,電動モータの解析を例題に電磁場解析で有効となる手法をプログラム開発と数値実験により明らかにした.本成果について,国際会議(オンライン開催)で発表を行うと共に,国際学術論文誌に論文が採択された(出版は2021年度の予定).
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では,計算電磁気学の深化に必要となる高性能な線形ソルバについて,計算機科学的側面と数理的側面の両面から,研究開発することを目的としている. 計算機科学的側面では,次世代計算機の性能を電磁場解析において最大限に活用するソルバ技術として,(a) 時空間並列処理技術の高度化 (b) 線形反復ソルバの前処理におけるSIMD命令活用技術の開発 (c) 電磁場解析向け線形ソルバのアクセラレータ実装方式の研究 (d) 低精度(混合精度)演算の活用による線形ソルバ,階層型(H:Hierarchical)行列法の高性能化 に取り組んでいる.数理的側面では,電磁場解析において未解決問題となっている,線形反復法の収束性悪化問題への対策について研究開発している.これらの具体的な各研究テーマにおいて,当初想定している成果が得られ,その一部については想定以上の良い成果が創出されている.計算機科学的側面からの研究テーマ(a),(b)では,すでに研究成果を国際学術論文誌に発表している.また,研究テーマ(d)では,H行列の混合精度化について国際会議論文で発表し,線形ソルバについても口頭発表を行っている.数理面での研究においても,対外発表はまだ行っていないが,大変有望な結果がでており,電磁場解析における悪条件問題の対処法として確立しつつある.
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Strategy for Future Research Activity |
現在のところ,研究分担者,研究協力者と密に連絡を取り,各研究課題は順調に推移している.従って,2021年度の交付申請書に記載した内容について,現状通り研究を進めていく.ただし,2020年以降,新型コロナウィルスの世界的な蔓延に伴い,研究者間の情報交換や国際会議発表に支障をきたしている.上記の通り,本課題においては優れた研究成果が創出されており,世界に向けてその成果を発信していきたいと考えているが,率直に難しい状況にある.研究成果の国際的な周知展開について,引き続き検討する必要性があると認識している.
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Research Products
(8 results)