2021 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19H04141
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Research Institution | Kanagawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
鳥井 秀幸 神奈川工科大学, 情報学部, 教授 (20343642)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上平 員丈 神奈川工科大学, 情報学部, 教授 (50339892)
鈴木 雅洋 聖泉大学, 人間学部, 准教授 (30397046)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 3Dプリンタ / 情報埋め込み / 磁気記録 |
Outline of Annual Research Achievements |
造形物内部に近赤外蛍光材料で情報を埋め込む方法について、昨年度まで表面が平坦な単純な形状の造形物に対して、近赤外蛍光材料で形成したQRコードを埋め込み、これを外部から近赤外線カメラで読み取れることを確認したが、本年度は実際の応用を想定して表面が様々な形状に湾曲した造形物に埋め込まれたQRコードを精度よく読み出す方法の検討を開始した。この方法として、表面の湾曲により歪んだQRコードの近赤外線撮像画像をディープラーニングにより正常な画像に補正する方法を考案した。様々に湾曲した造形物を学習に必要な数だけ実際に製造して学習させることは現実的ではないので、ここではシミュレーションによりランダムな造形物形状の3Dモデルを数千用意し、この学習データによりより学習させるモデルとしてディープラーニングの一種であるpix2pix型GAN(生成型ディープラーニングモデル)で、入力画像として、表面湾曲により歪を受けたQRコードの撮像画像を入力するモデルと、撮像画像に加え表面湾曲の3次元データを画像化して入力する2つのもでる構築した。今後は、まずシミュレーション画像で提案手法の有効性を確認した後、実際に実用を想定した造形物で有効性の確認を行う。 昨年度に引き続き、磁性材として鉄ナノ粒子を配合した樹脂を用いて内部パタンを形成し、3Dプリンタ造形物への情報の埋め込み、書き換えを可能性にする方法について検討を進めた。本年度は、内部パタンの磁化の継時変化を評価した。評価の結果、磁化後3年経過の試料において、磁化強度の減少は約10%であり、情報読出しには十分な磁化強度が維持できていることを確認し、継時変化に対しては実用上問題ないことを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
磁化の継時変化を評価については、計画通り進捗したが、造形物表面の湾曲の影響に対する対応についてはCOVID19のため実験による研究が予定通り進められなかったことが遅れの理由である。ただし、シミュレーション等の代替手段である程度の見通しが得られているので、全体的な進捗としては「やや遅れている」状況にある。
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Strategy for Future Research Activity |
1)これまでの研究で実現性が確認できたので、実用化を念頭においた技術開発を目指して研究を展開する。表面が様々な形状の造形物に埋め込まれたコード化された情報を読み出す場合の読出し精度が低下の問題については、今年度シミュレーションで実現性を確認できたpix2pix技術を用いて、実造形物での高精度の読み取りを実現する。 2)内部パタンの磁化強度の経時特性について、さらなる保持時間の延長が可能か確認する。 3)スマートフォンに近赤外線カメラを接続し、QRコードが示すURLに接続し、造形物に関連する情報を取得できる方法など具体的な応用の可能性を示す。
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Research Products
(2 results)