2020 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19H04144
|
Research Institution | National Institute of Informatics |
Principal Investigator |
佐藤 いまり 国立情報学研究所, コンテンツ科学研究系, 教授 (50413927)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 画像解析 / 分光解析 / 素材識別 / 反射解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,可視域外の波長を含むワイドバンド光の反射・吸収・発光特性のデータ解析により,最高レベルの識別精度を実現する知的センシング技術を開発を目的とする。物体の成分や特徴,組成を非破壊・非接触で知ることができる分光解析は,食品の産地判別,医薬品原料の種別,有害物質の推定,品質確認など,様々な応用が期待されている技術である。本年度は、深層学習結果に基づき識別問題に有効な特徴量抽出に特化した光学システムを導出し、分光データを用いた実験することで,提案手法の評価を進めた。具体的には、視域に加えて紫外・赤外の波長を含むワイドバンド光源に対する物体表面の分光反射率および吸光度を入力として、深層学習を通して対象物の素材識別に有効な観察波長の導出を行った。学習データと識別ネットワークの間に仮想光学システムによる物理情報抽出のプロセスを組み込み,識別問題に有効な特徴抽出とデータを取得する光学システムの同時設計が可能なことを確認した。さらに、提案手法により導出された観測条件のもとで取得されるデータを用いることが識別精度向上に有効なことを確認した。さらに、照射方向の異なる画像列に基づき対象物の反射特性を推定する技術の開発も進めた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では,可視域外の波長を含むワイドバンド光の反射・吸収・発光特性のデータ解析により,最高レベルの識別精度を実現する知的センシング技術を開発を目的とする。本年度は、深層学習結果に基づき識別問題に有効な特徴量抽出に特化した光学システムを導出し、分光データを用いた実験することで,提案手法の評価を進めた。視域に加えて紫外・赤外の波長を含むワイドバンド光源に対する物体表面の分光反射率および吸光度を入力として、深層学習を通して対象物の素材識別に有効な観察波長の導出を行い、提案手法により導出された観測条件のもとで取得されるデータを用いることが識別精度向上に有効なことを確認した。さらに、照射方向の異なる画像列に基づき対象物の反射特性を推定する技術の開発も進めることができた。これらのことより、本研究の目的を実現するアルゴリズムの開発は順調に進んでいると考える。
|
Strategy for Future Research Activity |
本年度は、深層学習結果に基づき識別問題に有効な特徴量抽出に特化した光学システムを導出し、分光データを用いた実験することで,提案手法の評価を進めた。可視域に加えて紫外・赤外の波長を含むワイドバンド光源に対する物体表面の分光反射率および吸光度を入力として、学習データと識別ネットワークの間に仮想光学システムによる物理情報抽出のプロセスを組み込むことで,識別問題に有効な特徴抽出とデータを取得する光学システムの同時設計が可能なことを確認できた。今後は、携帯電話端末,RGBデジタルカメラなどの汎用のポータブルデバイスの利用についてを検討し,食品品質などの知りたい情報を知りたい場所ですぐに計測可能なポータブルな知的センシング技術へと発展させることを予定している。ここでは,上記の物理拘束に加えて,ポータブルデバイスを利用するためのデバイス側の制約を加えながら最適条件の導出を行っていく。
|