2020 Fiscal Year Annual Research Report
体性感覚の相互作用を用いた食体験向上のための食メディア基盤技術に関する研究
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19H04150
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小川 剛史 東京大学, 情報基盤センター, 准教授 (60324860)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | インタフェース / クロスモーダル / 触覚提示 / 温冷刺激 / 電気刺激 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、食事において力触覚や温冷覚など体性感覚に起因するおいしさをインタラクティブに提示するための感覚提示方式を考案して、これまでに経験したことのない新たな食体験を提供し、食事における行動の変容を促すことで、おいしく健康な食生活を実現するためのインタフェース技術の設計と構築が目的である。具体的には、味や食感など食事の際に人が受容する感覚を提示することで「擬似食体験実現のための食感覚提示手法の確立」、人が実際に食事をしている際にその感覚を制御する「拡張食体験実現のための食感覚提示手法の確立」、そして日常の生活の中でこれらの食感覚提示手法を活用した食体験を実現するための「食感覚提示手法を用いた食メディアインタフェース技術の確立」の3つの課題を中心に研究を推進する。 今年度は、おもに「擬似食体験実現のための食感覚提示手法の確立」を目的として構築した舌面への温冷刺激提示システムについて安定した温冷刺激を提示できるようにシステム構成の見直しを行った。また、「各朝食体験実現のための食感覚提示手法の確立」のためにデバイス形状の構成についても検討を進めた。咀嚼筋に対する電気刺激を用いた力覚提示方式に応用するため、電気刺激による触覚提示について、提示条件の違いによるユーザの知覚の変化について検証した。電気刺激パルスの形状を変化させることで、ザラつき感などを提示でき食品の舌触りを変化させるなどの応用を期待しているが、実際に適用するにはデバイス形状など多くの課題も存在する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
触覚に基づく味覚を提示するため、温冷刺激による辛味提示や電気刺激による力触覚提示について検討が進められており、概ね順調に検討が進められているとは考えられるが、実際の食物を口にした際の食体験を変化させる拡張食体験のための感覚提示手法についての検証においては、十分な準備が必要で時間を要している。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに実施している温冷刺激や電気刺激を用いた感覚提示装置を構築と基本要素に関する研究は順調に進んでおり、引き続き同じ体制で研究を進める。一方で、拡張食体験実現のための感覚提示条件について検証を行うには、実際の食物を口にする実験を実施する必要があるため、実験手順等について慎重に検討した上で実施する。
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Research Products
(8 results)