2019 Fiscal Year Annual Research Report
Development of ear-cuff type wearable device for monitoring the functions of blood pressure control
Project/Area Number |
19H04156
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
加藤 有一 札幌医科大学, 医療人育成センター, 講師 (90363689)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ウェアラブルデバイス / 血圧 / 圧反射 / 健康管理 / 在宅検査 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、血圧に関わる生体情報を、日常生活下で自動的かつ継続的に得られる「医療用ウェアラブルデバ イス」の製造を第1の目的としている。 心血管疾患のリスクファクターである血圧は、圧反射機序により心臓・血管の主に2種類 の自律神経を介して一定に調節されている。この機能が低下すると、高血圧症や起立性低血圧による失神リスクが高まるため、低負担・非侵襲な方法で日常生活時モニタリングを実現すれば心血管疾患リスクを「見守る」システム構築が可能となる。 これを成し得るのが、「光センサーにより圧反射機能を測定するイヤーカフ型ウェアラブルデバイス」である。本年度は、独自の特許技術(加藤有一:生体情報測定装置. 日本国特許出願 2018-064067)を実現するべく、ハードウェア部分のセンサー端末の完成を目指した。この技術では耳へ装着する箇所と測定センサーが異なる独自構造により、従来の問題点、すなわち、装着部位を圧迫して個人ごとに異なる基準で生体信号を測定しまう点を解消することができる。一方、個人差の大きい外耳部位で測定するための汎用なセンサー端末を製作しなくてはならない困難な点がある。試作を重ねた結果、センサー間距離を可変にできる構造とクリップして装着する角度を調整することで、センサー端末を完成させた。日常生活下で両手を自由に使えるのはもちろんのこと、話をする際や他の軽微な運動時でも安定して脈波信号を測定できることを確認している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、応募者が持つ様々な新規技術を使い、(1) 誰が着けても同じように脈波が測定 できる汎用イヤーカフ型ウェアラブルデバイスの製作と、(2) どのような行動をとったときにどのように圧反射機能が変化するのかを評価する外部モニタリングシステムを完成させる。 また、(3) 病院で実施される標準化された自律神経機能検査を様々に実施し、これを在宅で日常生活を送りながら評価できる在宅用自律神経検査機器としての機能を組み込むことを最終目的としている。 本年度は、(1) 汎用イヤーカフ型ウェアラブルデバイスのハードウェア部分、すなわち、「光センサーの外耳測定部位と最適な装着方法」に関わる特許技術を実現し、外耳形状の違いがあっても誰でも同じように脈波を測定できるセンサー端末を製造することが達成目標であった。試作と試験と重ねた結果、上記(2)の試運転が可能なセンサー端末が完成したことから、進歩状況を判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
耳形状の違いがあっても誰でも同じように脈波を測定できる装置のハードウェア部分とモーションセンサの組み込みは達成している。体動によるノイズが問題となっていたが、ハードウェアの完成により、体動ノイズを大幅に軽減することができた。また、ハードウェアが原因となる体動ノイズを考慮にいれなくてよくなった。従って、今後の目的は、ソフトウェア部分、すなわち、(1) 運動の種類に対応して脈波信号および、圧反射機能の測定時間を同期させる測定・解析アプリを製作し、(2) どのような行動をとったときに どのように圧反射機能が変化するのかを評価する外部モニタリングシステムを完成させるために、自律神経機能検査(ヘッドアップティルト試験, 精神的ストレス負荷試験, 運動負荷試験)に対応した評価プログラムを製作することとなる。そのため、(1)の完成を目指すとともに、(2)に相当する自律神経負荷試験を実施し、問題点の洗い直しと、それに伴うプログラム改良を繰り返し実施することで、(3) 在宅用自律神経検査機器として使用できるシステム基盤を作り上げたい。
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