2019 Fiscal Year Annual Research Report
Quantification of lighting characteristics and Shitsukan recognition to establish a method of Shitsukan lighting evaluation
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19H04196
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
溝上 陽子 千葉大学, 大学院工学研究院, 教授 (40436340)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土橋 宜典 北海道大学, 情報科学研究院, 准教授 (00295841)
阿山 みよし 宇都宮大学, 工学部, 教授 (30251078)
石川 智治 宇都宮大学, 工学部, 准教授 (90343186)
津村 徳道 千葉大学, 大学院工学研究院, 准教授 (00272344)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 照明 / 質感 / トータルアピアランス / 照明評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、質感の見えの忠実度と印象に基づく“質感照明評価法”の提案を目指し、その基盤として照明の配光特性と光色が質感認識に与える影響を明らかにすることを目的としている。 本年度は、主として、質感再現に適した照明の拡散度条件とその評価指標を検討した。形や表面特性の異なる物体を日常環境で記憶し、拡散度の異なる照明条件下で比較することで、物体の質感再現に適した拡散度を求めた。 観測者は、4種類の物体を、自然光が当たる北窓の窓際と蛍光灯下の室内の日常環境で観察して記憶した。6方向の照度を用いて照明の拡散度を計算するCuttleらの手法により定義した、5段階の拡散度の照明条件で、記憶した物体の見え方と各照明下の物体の見え方を比較し、自然さ、粗さ、光沢感等8項目のSD法による印象評価と、物体の質感再現の忠実さと理想さの評価を行った。その結果、中程度の拡散度範囲で、忠実さ、理想さともに評価が高く、拡散度の低い非日常的な条件では評価が低くなる傾向が示された。また、印象評価の結果でも、中程度の拡散度条件での自然さの評価が高くなった。今回用いた拡散度定義条件と評価指標は、質感照明評価の際に有用であることが示唆された。 また、指向性光と拡散光の組み合わせが布地の知覚的明度、及びシーンの感性評価に及ぼす影響を調査した。拡散光のみの条件で他より低明度に知覚され、指向性光が強い条件で「現実的な-幻想的な」評価が高い結果となった。 さらに、コンピュータグラフィックスを用いた質感照明評価のための環境構築を行い、機械学習による質感評価システムを構築し、目的の質感を表現するための反射・照明条件を逆算する手法の開発を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
基本的な質感照明評価に必要な視感評価パラメータの検討は着実に進んでいる。照明色との関係の検討はまだ成果が出ていない状態だが、その分、質感の見えの忠実度と理想度に基づく質感再現に適した照明の拡散度条件の検討、布地の知覚的明度の検討など、当初の予定よりも検討が進んだ。また、次年度に向けたCGを用いた視覚評価実験の計画も進んでいる。したがって、おおむね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、基本的な質感照明評価に必要な視感評価パラメータの検討を進める。CGを用いた検討は、今年度は個別に進めていたが、今後は連携を深めて本格的な視覚評価実験を構築する。実験に取り組む学生メンバーも新しく入るため、より多角的な検討を進める予定である。
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