2020 Fiscal Year Annual Research Report
超高磁場fMRIを用いたセルフタッチに潜む特別な感性とその神経メカニズムの研究
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19H04199
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
菊池 吉晃 東京都立大学, 人間健康科学研究科, 客員教授 (50134739)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
則内 まどか 東京都立大学, 人間健康科学研究科, 客員研究員 (20571897)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | セルフタッチ / fMRI |
Outline of Annual Research Achievements |
セルフタッチは胎児の頃から認められる身体動作であり行為である。最近の研究によると、母親のストレスや劣悪な体内環境において、同行為の頻度が多くなることが示されている。成人になってからも、ストレス環境下で同行為が頻回に認められることも多い。この観点から、セルフタッチは人間が自己を守るために無意識的に行う動作であると言える。つまり人間が時々刻々変化する環境に適応的に生きる上で極めて重要かつ根源的な動作であると考えられることから、この神経メカニズムを解明することは極めて重要な研究課題である。本研究では、3.0テスラの超高磁場機能的磁気共鳴画像法(fMRI: functional magnetic resonance imaging)を用いて、健常成人のセルフタッチの神経メカニズムを明らかにし、そこに潜む特別な感性を科学的に明らかにすることである。2020年度は、2019年度に引き続き、実験実施のための実験系の構築や解析システムの構築、および必要な設備設置や磁気共鳴画像システムの稼働状態のチェックや操作の習熟などおこなうとともに、手の幾何学的配置などの各種実験パラメータを設定し、予備実験を実施した。得られた脳活動データについても予備的な解析を実施した。データ解析については、通常のWhole brain analysisに加えてROI解析、PPI(Psychp-phyisological interaction)などを適用しその有効性について検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2019年度の実績報告書において、2020年度では「多様なセルフタッチの様式が脳活動に及 ぼす影響などについてさらなる検討を行う。また、実験によって得られる脳活動データの解析を実施するが、この手法も多様であるため、実験の内容や実施方法によって、仮説を合理的に検証することを可能にする最適な方法を見つけるべく模索を行う。」ことを目標としていたが、ほぼこの目標を達成することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度は、2019年度に引き続き、実験実施のための実験系の構築や解析システムの構築、および必要な設備設置や磁気共鳴画像システムの稼働状態のチェックや操作の習熟などおこなうとともに、手の幾何学的配置などの各種実験パラメータを設定し、予備実験を実施した。得られた脳活動データについても予備的な解析を実施した。データ解析については、通常のWhole brain analysisに加えてROI解析、PPI(Psychp-phyisological interaction)などを適用しその有効性について検討した。2021年度は、上記で得られた一連の脳機能データ解析結果に基づいてセルフタッチの脳機能メカニズムを明らかにする上で最適な解析方法を決定するとともに、セルフタッチの神経モデルに基づく脳の関心領域(ROI: Regions of Interest)やネットワークについて検証すべき仮説を設定する。
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Research Products
(3 results)