2020 Fiscal Year Annual Research Report
Modeling of spatio-temporal dynamics of neuropil signals and its application to automatic cell detectors
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19H04203
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
青西 亨 東京工業大学, 情報理工学院, 准教授 (00333352)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | カルシウムイメージング / 自動細胞検出 / ニューロピル信号 / 動的モード分解 / 非負値行列因子分解 |
Outline of Annual Research Achievements |
低計算コスト細胞検出アルゴリズム(LCCD)の改良:申請者は、超広視野光学顕微鏡で取得される超巨大イメージングデータから高速に細胞検出を行うことができる低計算コスト細胞検出アルゴリズム(LCCD)を開発している。理化学研究所脳神経科学研究センター脳触知覚生理学研究チーム(村山正宜チームリーダー)で開発された超広視野二光子顕微鏡のデータに本手法を適用して、約17000個の細胞を検出することに成功した。この研究成果の論文は国際学術論文誌Neuron(https://doi.org/10.1016/j.neuron.2021.03.032)に掲載された。 多重解像度非負値行列の改良:申請者は、非負値行列因子分解(NMF)にもとづく自動細胞検出手法を開発している。昨年度は、NMFを多重解像度に拡張した多重解像度NMFの改良発展を行った。因子行列分解問題において、因子行列のランク数を推定するモデル選択において有効であるBi-Cross-Validationに着目し、 この手法を多重解像度NMFによる自動細胞検出課題に適用した。人工データにおいて、真の細胞数と比べて約1割程度の誤差はあるが、細胞数と同スケールのランク数を推定できることを確認した。 動的モード分解:近年、大自由度力学系の縮約手法として注目されている動的モード分解(Dynamic Mode Decomposition, DMD)がある。多細胞活動イメージングデータに DMD を適用し、データを少数の動的モードに圧縮し、 特徴的構造を見つけることが可能かを確認した。DMDは空間的構造と時間的構造とこれらを支配する線形力学系を同時に動的モードとして取得できる。in vivo と in vitro のデータにおいて、それぞれ複素共役の少数の動的モードに圧縮し、細胞の活動を取り出し、ノイズを減らすことができることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナの影響により、オンラインによる研究室運営が中心となったため、学生や共同研究所との十分な意思疎通ができていない状況である。よって、研究の進捗が全般的に遅れている。 ディープラーニングモデル: 申請者は、ディープラーニングモデルによる細胞検出手法の開発を行っている。ディープラーニングモデルの研究に苦戦している。先行研究での報告を再現しようと試みたが、報告に記載されていないブラックボックスの部分が多数あり、報告にあるような高い細胞検出性能が実現できていない。他の手法の開発を優先的に行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
低計算コスト細胞検出アルゴリズム(LCCD)の改良:昨年度は、理化学研究所で開発した超広視野光学顕微鏡データに対して、本手法の有効性を確認した。今年度は、昨年実施予定であった、数理モデルより生成した人工データを用いて、提案手法の推定精度を評価する。そして、本手法の成果を取りまとめて、Neuron誌とは別に細胞検出手法を中心に据えた論文を執筆する予定である。 多重解像度非負値行列の改良:申請者は、非負値行列因子分解(NMF)にもとづく自動細胞検出手法を開発してきた。昨年に引き続き、実データと人工データを用いて、提案手法の有効性を確認する。そして、実験結果を取りまとめて、論文を執筆する予定である。 動的モード分解:昨年度は、多細胞活動イメージングデータに DMD を適用し、複素共役の少数の動的モードに圧縮でき、コヒーレントな細胞の活動を取り出すことができることが分かった。昨年度に用いたスパースDMDの手法では、雑音も含めたイメージングデータをそのまま特異値分解して動的モードを得ていたので、神経活動と比べて時定数が短い雑音などの神経活動と関連しない動的モードが大多数を占めており、しかもこれらの寄与率が相対的に高かった。したがって、スパース正則化による神経活動関連の動的モードのみの自動検出が達成できなかった。神経活動と雑音を含むそれ以外のモードに主観的に分類し、少数の神経細胞関連のモードでデータが再構成できることを確認したに留まっている。今年度は、雑音モデルを組み入れた最尤推定型のスパースDMDを用いて、この問題の解決を試みる。また、抽出した動的モードの神経科学的な解釈を試みる。
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[Journal Article] Fast, cell-resolution, contiguous-wide two-photon imaging to reveal functional network architectures across multi-modal cortical areas2021
Author(s)
K. Ota, Y. Oisi, T. Suzuki, M. Ikeda, Y. Ito, T. Ito, H. Uwamori, K. Kobayashi, M. Kobayashi, M. Odagawa, C. Matsubara, Y. Kuroiwa, M. Horikoshi, J. Matsushita, H. Hioki, M. Ohkura, J. Nakai, M. Oizumi, A. Miyawaki, T. Aonishi, T. Ode, M. Murayama
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Journal Title
Neuron
Volume: 109
Pages: pp. 1-15
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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