2020 Fiscal Year Annual Research Report
機械学習を駆使したゲノム多型ビッグデータからのヒト顔形状の予測
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19H04211
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
今西 規 東海大学, 医学部, 教授 (80270461)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 亮介 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (00453712)
瀧 靖之 東北大学, スマート・エイジング学際重点研究センター, 教授 (10375115)
竹内 光 東北大学, 加齢医学研究所, 准教授 (50598399)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ゲノムモンタージュ / 人類学 / 顔形状 / 機械学習 / GWAS |
Outline of Annual Research Achievements |
東海大学では、ゲノム・モンタージュの作成に必要なヒト顔表面形状のデータ収集に用いる3Dスキャナ装置を導入し、3D形状データの取得を効率的に進める体勢を整えた。この装置を用いた顔表面形状の測定会を2021年度中に開催するため、改めて研究計画を倫理委員会に申請し、2020年6月10日付けで承認を受けた(20I-09号)。GWASを実施するためのSNPアレイによるゲノム多型データ収集については、2021年度にまとめて実施する計画であり、本年度は解析キットの購入を行った。機械学習によるゲノム・モンタージュの開発については、顔形状データをサポートベクターマシンやディープラーニングのソフトウエアで解析するためのプログラムを準備した。顔形状と頭蓋骨の関連については、東北大学加齢医学研究所で測定されたMRIデータを解析し、顔形状と頭蓋骨形状の特徴を解析した。MRIデータの解析手順がほぼ確立されたため、今後はゲノム多型との関連解析などを実施する計画である。このほか、日本人における顔形状の遺伝率に関する論文の準備を進めた。また、目の形状については、スナップ写真から目の形状を取得する方法を新たに開発し、双生児を含む168人のデータを取得した。その主成分分析により日本人の目の形状の多様性を明らかにした。その他の活動状況としては、オンラインでの班会議を5回(7月、9月、11月、1月、3月)にわたり開催し、研究の進捗を確認するとともにさまざまな意見交換を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の流行を受けた緊急事態宣言の影響により、多くのスタッフが在宅勤務となり、さらに出張や対面でのゲノムDNA採取や顔形状測定が実施困難な状況になった。そのため、安全に配慮した研究実施方法を模索する作業にかなりの時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
東海大学、琉球大学、東北大学が連携・協力し、以下の課題を計画的かつ組織的に実施する。COVID-19の大流行のため日本政府による緊急事態宣言が発令された状況下ではあるが、安全面に十分に配慮しながら研究を進めていく計画である。 1)顔表面形状測定とゲノム多型解析 倫理委員会の承認後に、新たに日本人成人ボランティアを一般募集し、3Dスキャナによる顔表面形状の測定と口腔内粘膜DNAの採取を行う。これをSNPアレイによるゲノム多型解析にかけ、GWASおよび機械学習に使用する。 2)MRIデータを用いた頭顔部形状解析 MRIデータを使ったGWASを実施する。顔形状だけでなく、頭部のさまざまな部位の形状に関わるゲノム多型の特定を試みる。また、新たな日本人ボランティアに対するMRI測定と口腔内粘膜DNAの採取を検討する。 3)機械学習によるゲノム・モンタージュの開発 機械学習用のソフトウエアを使用し、ゲノム多型データからの顔形状予測を試みる。特に、顔形状、目の形、脳と頭部形状を対象とする。 4)骨格と顔形状の関連解明 頭蓋骨の形状は遺伝率が高いと考えられるため、ゲノム多型から頭蓋骨の形状を予測し、その上で顔形状を予測するという2段階アプローチを試みる。東北大学のMRIデータを利用して頭蓋骨と顔形状との関連を明らかにする作業から着手する。
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Research Products
(4 results)