2021 Fiscal Year Annual Research Report
Development and Validation of Social Networking Principles for Mitigating Echo Chambers
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19H04217
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
笹原 和俊 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 准教授 (60415172)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
五十嵐 祐 名古屋大学, 教育発達科学研究科, 准教授 (90547837)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | エコーチェンバー / 計算社会科学 / ソーシャルメディア / 社会的分断 / 集団極性化 |
Outline of Annual Research Achievements |
ソーシャルデータ分析の知見を基に、フェイクニュースの拡散を調査する実験系を構築し、アンケートと実験を組み合わせた予備調査を実施した。この調査の目的は、フェイクニュースの拡散メカニズムを理解し、その言語的特徴を明らかにすることであった。具体的には、インターネットを通じて416人の被験者を集め、政治・経済、科学、ゴシップ、そして新型コロナウイルスの4つのトピックに関する正確なニュースを作成し、実験のニュース素材とした。被験者には、これらのニュースをランダムに提示し、できるだけ少ない変更で多くの人に共有されやすいフェイクニュースに書き換える作業を依頼した。この手法は、フェイクニュースがどのように構築されるかを観察し、そのプロセスを解析することを目的としている。その後、元のニュースと書き換えられたニュースの言語的な違いを、テキスト分析によって定量的に評価した。分析の結果、怒りを表す言葉の増加や、否定的な言葉や誇張表現の使用頻度の増加が明らかになった。これらの結果は、エコーチェンバー内で拡散されるフェイクニュースが持つ可能性のある言語的特徴を示唆している。さらに、言語分析を通じてフェイクニュースと真実のニュースの違いを把握し、それらの違いを利用してフェイクニュースの拡散を抑制する方法の提案につながることが期待できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウイルスの影響で実験室での実験が困難だったため、アンケートと組み合わせたオンライン実験への方針転換が功を奏した。これにより、先行研究の知見を一部支持する結果を得るとともに、テキスト分析を組み込んだことで、これまでの研究で明らかにされていなかったエコーチェンバー内で拡散するニュースの言語的特徴に関する予備的な結果が得られた。また、このアプローチが適切であることが確認されたため、今後はエコーチェンバーに関するオンライン実験を大規模に実施する準備が整った。
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Strategy for Future Research Activity |
今回のアンケートと実験を組み合わせた調査において、ニュースの拡散を調べる方法の妥当性が確認できたため、次年度は被験者数を増やし、実験を大規模に行う。そのために、予備実験の結果を詳細に分析し、実験デザインの見直しや、使用するニュース素材の選定の再検討を行った上で、本実験に臨む。また、実験の工夫として、テキスト分析において複数の辞書を用い、結果のロバスト性を確認する。最終的に、実験結果を総合し、エコーチェンバー化を緩和するための原理に関する手がかりを得ることを目指す。
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Research Products
(8 results)