2020 Fiscal Year Annual Research Report
概念マップ相互再構成法を用いた協調的知識構築環境の設計・開発
Project/Area Number |
19H04227
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
平嶋 宗 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 教授 (10238355)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀口 知也 神戸大学, 海事科学研究科, 教授 (00294257)
東本 崇仁 東京工芸大学, 工学部, 准教授 (10508435)
林 雄介 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 准教授 (70362019)
山元 翔 近畿大学, 工学部, 講師 (90735268)
前田 一誠 環太平洋大学, 次世代教育学部, 教授 (90757634)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 知識構築 / 協調活動 / 他者理解 / 概念マップ |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度においては,オンライン同期的協調的知識構築環境を設計・開発した.この環境においては,複数の学習者がオンライン上で同じ概念マップを操作でき,他の学習者の操作を直ちに知ることができる.また,概念マップ上で意見交換ができるようになっており,概念マップを構成する個々の概念及び関係づけ対して,意見を付加することができる.意見が付加されたことは協調学習している学習者に直ちに知らされることになり,その概念もしくは関係づけに対しての意見交換がリアルタイムでオンライン上で行えるようになっている.さらに,概念マップ全体に対しての意見交換も別途行えるようになっている.この環境は,WebSocket技術を用いることで,能動的クライアント・サーバシステムを実現している. また,本環境の予備的評価として,95名の大学生に利用したもらったうえで,Online Cooperative Learning Applicationスケールを用いたアンケート調査を行った.結果として,ポジティブ項目に関しては,すべての項目においてポジティブな回答が有意に多かった.ネガティブ項目に関しては,「システムにおいて他者が頼ってくるのが好ましくなかった」とする項目を除いて,ネガティブな回答が有意に多かった.当該の項目はネガティブ項目ではあるものの,協調活動が活発に行われた結果としての負担分散の問題であり,今後の検討課題ではあるものの,システムとしての問題点であるとは言えない.したがって結果として概ね良好といえる結果が出たといえるため,学習効果を測定するための学習実験を行うことができると判断した.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
システムの実装及び予備実験までできたので,概ね順調といえる.しかしながら,学習効果測定のための実験が主にコロナ流行の影響で,次年度に延期になったことから,やや遅れていると判断した.
|
Strategy for Future Research Activity |
システムを実装し,予備的な評価の結果として,良好であることが確認できた.このシステムを実験的に運用して学習効果を測定することで,本研究の目的を達成できると考えており,次年度においてはこの実験的評価を実施する.また,本システムがオンラインで利用可能であることから,学会等の機会において本システムを利用してもらいながら紹介の機会を設ける予定である.
|