2019 Fiscal Year Annual Research Report
Plastic in the deep-sea environment
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19H04262
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
中嶋 亮太 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 地球環境部門(海洋生物環境影響研究センター), 研究員 (20546246)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 海洋プラスチック / 深海 |
Outline of Annual Research Achievements |
毎年800万トンを超える廃プラスチックが海洋に蓄積を続けている。これまでに少なくとも1億5000万トンが海洋に流入したと推定されているが、海洋表層で観測されたプラスチック量は流入量の1%以下にすぎない。残りの99%が表層から失われ行方不明となっているが、おそらく大部分は深海に沈んでいる。本課題は、行方不明プラスチックの行方を求めて、アジア諸国から大量のプラスチックが流れ込み集積する日本周辺の深海底において、プラスチックごみの分布と量を明らかにし、行方不明プラスチックの謎に答える一助とする。
海洋研究開発機構(JAMSTEC)が過去30年間に記録してきた深海映像データには、しばしばポリ袋などの海洋ごみが映っており、約5,000潜航調査の映像からすでに1,000を超す海洋ごみが確認されている(深海デブリデータベース)。当該年度は、深海デブリデータベースのうち、ポリ袋やペットボトル等の比較的大きなマクロプラスチックごみをターゲットに各海域に沈んだマクロプラスチックの定量を試みた。
具体的には、日本周辺で行われた約800潜航調査における映像データについて、(1)その映像に映る海底面積(km2)を深海探査機の走行距離・探査機の高度(m)・映像視野から求め、(2)潜航調査あたりのプラスチックごみの計数およびサイズ計測を行った。さらに深海デブリデータベースにまだ記録がないものの、プラスチックごみが蓄積されていると予想された深海底(房総半島沖、深度5700mー5800m)において潜航調査を実施し、映像データを取得、プラスチックごみの定量を行った。その結果、プラスチックごみの密度は多い海域で約5000 items/km2を記録した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
データベースとして公開されている映像データのうち、プラスチックおよび漁具が記録されているデータ(およそ800潜航)についてはすべて海底面積の計算とごみの計数が終了しており、予定で通りに作業は進んだ。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度においては、まだデータベースとしては公開されていない映像データのうち、プラスチックおよび漁具が記録されている潜航映像(およそ800潜航)について、引き続き、映像データからマクロプラスチックごみの定量データを抽出する作業を続ける。
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