2019 Fiscal Year Annual Research Report
Development of activity monitoring of living plants using electret AE sensor
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19H04280
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
蔭山 健介 埼玉大学, 理工学研究科, 教授 (30272280)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小島 一恭 湘南工科大学, 工学部, 准教授 (60361391)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 環境影響評価 / 植物 / アコースティック・エミッション / エレクトレット |
Outline of Annual Research Achievements |
1.Al電極にスピンコートした極薄PTFE層にスプレー塗布により形成したシリカ凝集体をスペーサー兼エレクトレットとしたエレクトレットセンサ(ECS)素子を製作した。このとき,素子背面層にシリコーンゲルを取付け,前面にグリセリンを充填したPVCバッグを備えることで、複雑な形状の幹においても密着可能で、植物AEを検出 可能なAEセンサを開発することができた。このECSを用いて,ハウス栽培トマト・イチゴ, みかんにおいて植物AEを検出することができた。また,背面層の硬さと厚さ,PVCバッグの充填量とフィルム厚さが植物AEの検出感度に及ぼす影響を調べ,デュロメータ硬さ30の背面層と厚さ20μmのPVCフィルムを用いた時,最も高い検出感度が得られることが分かった。 2.プログラマブルロジックデバイス(FPGA)をベースとしたAE信号処理回路を設計し,試作した。そして,ECSの信号を50-200 kHzにおいて最大76dB増幅するアナログアンプと組み合わせて,サンプリング速度500kHzで2チャンネルで同時にAE測定が可能な信号処理回路を製作できた。さらに,この回路に900MHz帯の無線モジュール(WI-SUN)を実装することで,検出されたAE信号の発生時刻,信号強度などのAEパラメータ(植物AEデータ)無線でラズベリーパイで構築したステーションに送信できるIoTデバイスを製作した。さらに,ステーションのデータは公衆回線LANを介してクラウドデータベースに集約されるシステムを構築することで,ウェブベースでいつでも閲覧可能なデータベースを開発することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
植物AEを検出可能なECSを製作し,検出感度を高めるとともに,植物AEデータをクラウドデータベースに集約可能なIoTデバイスも開発できており,当初の研究計画通り研究が進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
さらに形状自由度が高いエレクトレットコンデンサセンサ(ECS)を用いて、様々な植物AEの検出が可能なセンサを開発し、茎のような柔らかく損傷しやすい部位においても容易に取り付け可能な植物AEセンサの実現を目指す。 次に,AEの検出のみに特化することで小型化と消費電力の削減を行い、ソーラーセルやバッテリーと組み合わせ、いつでもどこでも植物AE測定が可能な植物IoTデバイスを開発する。 さらに,ECSを用いた植物AEセンサと植物IoTデバイスを用いて、各種植物AEの長期測定を行い、従来技術の環境モニタリングと組み合わせた活動モニタリング技術を創出する。 そして、環境変動が植物の活動状態に及ぼす影響を数値として示し、これらの環境影響評価結果を植物の生育管理にフィードバックすることで 、植物AEを用いた活動モニタリングの有用性を検討する
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Research Products
(4 results)