2020 Fiscal Year Annual Research Report
Development of activity monitoring of living plants using electret AE sensor
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19H04280
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
蔭山 健介 埼玉大学, 理工学研究科, 教授 (30272280)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小島 一恭 湘南工科大学, 工学部, 准教授 (60361391)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 環境影響評価 / 植物 / アコースティック・エミッション / エレクトレット |
Outline of Annual Research Achievements |
1.前年度に開発したエレクトレットセンサ(ECS)素子の柔軟性を維持したまま耐久性を向上させるために,軟質のシリコーンゴムシートを接触媒質として受感部に取り付けた。その結果,イチゴの葉柄のような柔らかい部位にも簡単に取り付け可能な柔軟性を維持しながら,屋外での長期測定でも使用可能な耐久性に優れるECSを開発した。このECSを用いて,ハウス栽培イチゴと露地栽培みかんにおいて6ヵ月以上の長期測定を行っても植物AEを検出することができた。 2.上記ECSと前年度に開発した植物IoTデバイスを用いて,ハウス栽培および恒温室栽培のトマトの茎部の多点での植物AE測定を行った。その結果,成長点付近も含めて多数のECSを取り付けても生育に支障は無く,ECSの取り付けが植物に及ぼすダメージは認められないことを検証した。また,トマト茎部の場合,根元付近や成長点付近は植物AEの検出数が減少することが分かった。これは,キャビテーションの発生頻度と茎を伝播するAEの減衰率が部位により異なるためと思われる。 3.前年度に開発した植物IoTデバイスにソーラーセルとリチウムイオンバッテリーと組み合わせることで,無電源でいつでもどこでも植物AE測定が可能なIoP (Internet of Plants)デバイスを開発した。このIoPデバイスを用いて,露地野菜(じゃがいも,ナス)の植物AEについて無電源のIoPデバイスを8台設置して,それらのデータを1ヵ所の中継器で受信することで2-4カ月間の長期間測定を行うことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
植物AEを検出可能でECSの耐久性を向上させ,無電源システムを構築したことで,屋外においても長期間の植物AE測定が可能となっており,当初の研究計画通り研究が進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
IoPデバイスを用いて6ヵ月以上露地栽培みかんの植物AEおよび環境測定を行う。そして,クラウドデータベースに集約されたデータを用いて環境変動が植物の活動状態に及ぼす影響を数値として示すことで,リアルタイムでの植物の活動モニタリングを可能にする。同様の手法とハウス栽培トマトとイチゴ,露地栽培茶の木にも適用することでデータを蓄積し,植物AEを用いた活動モニタリングの有用性を検討する さらに,IoPデバイスについて基板の大幅に小型化し,消費電力も削減することでIoPデバイスの利便性を高める。
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