2020 Fiscal Year Annual Research Report
土着分解菌の集積・安定的活性化による処分場浸出水1,4-ジオキサン処理技術の確立
Project/Area Number |
19H04301
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
井上 大介 大阪大学, 工学研究科, 准教授 (70448091)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池 道彦 大阪大学, 工学研究科, 教授 (40222856)
矢吹 芳教 地方独立行政法人大阪府立環境農林水産総合研究所(環境研究部、食と農の研究部及び水産研究部), その他部局等, 主任研究員 (00360818)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 1,4-ジオキサン / 処分場浸出水 / 生物学的処理 / 選択的分解菌集積法 / 安定的活性化法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、流動担体と特異的増殖基質を用いた土着1,4-ジオキサン分解菌の迅速かつ選択的な集積法、及び集積した分解菌の安定した活性発現のための好適な雲梯制御ならびに分解阻害物質の前処理法を確立し、土着分解菌を活用した1,4-ジオキサン処理の可能性を実証することを目的としている。 本年度は、初年度に引き続き、課題1『1,4-ジオキサン分解菌の迅速集積方法の確立』、課題2『安定処理を実現する処理システム・制御法の確立』に取り組んだ。 課題1においては、数か所の処分場の水処理施設において、全細菌叢及び1,4-ジオキサン分解に関与する可溶性鉄(II)モノオキシゲナーゼ(SDIMO)遺伝子の多様性を調査し、Group 5のSDIMO遺伝子が優占的に存在する等の特徴を把握することができた。また、担体の形状(筒状、粒状)及び材質の異なる担体を用いて代表的な1,4-ジオキサン分解菌であるPseudonocardia sp. D17の分解活性の維持について調査し、分解菌の保持・分解活性発現の維持に有効な担体の形状・材質を明らかにすることができた。 一方、課題2においては、課題1の調査に併せて、処分場の水処理施設において共存物質の調査を行い、1,4-ジオキサンの生物分解に影響を及ぼす可能性のある揮発性有機塩素化合物が共存することが確認されたが、それらはごく低濃度であり、1,4-ジオキサン分解に影響を及ぼすレベルではないことを明らかにすることができた。 また、得られた研究成果の誌上発表及び学会発表も積極的に進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1,4-ジオキサン分解菌の迅速集積方法の確立、ならびに安定処理を実現する処理システム・制御法の確立に向け、分解菌の保持・分解活性発現に有効な担体の特長、処分場の水処理施設に生息する分解菌群、ならびにそれらによる分解を阻害する可能性のある共存物質について知見を得ることができ、当初予定していた課題を順調に進めることができている。
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Strategy for Future Research Activity |
現在のところ特段の問題なく進展しており、研究計画について特段の変更等は必要ないと考えており、今後も当初予定の通りに研究を推進し、研究成果の積極的な公表も進めていく予定である。
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Remarks |
2020年度地域水環境行政研究委員会優秀発表賞受賞
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