2023 Fiscal Year Annual Research Report
先端医療検査の発展に潜むMRIガドリニウム造影剤に起因した環境負荷低減技術の開発
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19H04304
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
井上 一雅 東京都立大学, 人間健康科学研究科, 教授 (20508105)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福士 政広 東京都立大学, 人間健康科学研究科, 客員教授 (70199199)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ガドリニウム造影剤 / MRI / 希土類元素 |
Outline of Annual Research Achievements |
MRI設置台数がアメリカ(12,137台)に次いで世界2位の日本(6,578台)の首都である東京都におけるMRI用のガドリニウム造影剤の環境動態調査を実施した。東京都は国内でMRI設置台数が最も多く(23区内:554台、23区外:150台、計:704台)、環境中に放出されるガドリニウムの濃度が高いことが懸念されている。下水処理施設で処理された処理水、河川水(上流から下流を含む)および浄水場から配水された水道水を採水して、水中のガドリニウム濃度の分析を実施した結果、希土類元素存在パターンからバックグランド濃度に対するガドリニウム濃度比を算出した結果、処理水で6.6-76倍、河川水で0.83-103.36倍、水道水で1.1-5.0倍の濃度比となった。バックグランド濃度に対するガドリニウム濃度比が1.4以上の場合、人為起源的影響によるガドリニウム濃度の上昇が考えられるため、東京都内の下水・河川水・水道水のほとんどの試料で有意なガドリニウム濃度の上昇を確認した。つまり、ヒトから排尿されたGd造影剤は、現在の下水処理方法では除去されずに環境中に放出され、その後、種々の水再生処理を経て最終的にヒトの飲料物を介した経口暴露につながっている可能性が示唆された。
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Research Progress Status |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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