2019 Fiscal Year Annual Research Report
Co-pyrolysis of plastic and wood for chemical feestock recovery
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19H04306
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
熊谷 将吾 東北大学, 環境科学研究科, 助教 (40757598)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉岡 敏明 東北大学, 環境科学研究科, 教授 (30241532)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 共熱分解 / プラスチック / バイオマス / シナジー効果 / ガスクロマトグラフィー |
Outline of Annual Research Achievements |
木質バイオマスの熱分解生成物同士が凝集・重合することで、2~4割のチャーを形成する。2019年度は、プラとの共熱分解のシナジー効果によるチャー抑制の可能性を検討した。小型の半回分式反応器を用いて、プラおよびバイオマス試料の粒径および混合比の異なる混合試料の共熱分解試験を700 ℃で実施した。熱分解生成物として得られるガスおよびオイルはGC/MS、熱伝導度検出器(TCD)、水素炎イオン化検出器(FID)により定性かつ定量を実施した。水分はカフィッシャー水分計により定量した。得られた収率をもとに、シナジー効果をYield Difference (YD)指標(共熱分解により得た生成物収率/単体の熱分解収率から計算される収率)により定量的に評価した。YDiが1を上回る場合、生成物iは相互作用によって収量が増加したことを、1を下回る場合、減少したことを意味する。結果、プラスチックとしてポリエチレン、バイオマスとしてスギを90:10で混合した試料において、スギ由来のチャーが計算値の約半分(YD=約0.5)になるシナジー効果が得られた。これは当初の想定通り、プラによるバイオマス由来生成物の凝集・再重合の物理的ブロックによるものと考えられる。 合わせて本年度は、マルチディテクターGC(検出器:MS, FID, TCD)への改良も実施した。今後、オンライン分析によってダイナミックな共熱分解挙動の分析ができるようセットアップを進めていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画通り、共熱分解によるチャー抑制効果を確認し、マルチディテクターGCの準備も順調に進んでいるため。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度は、プラおよびバイオマスのガス化を促進するシナジー効果の最大化を狙っていく。例えば、申請者は、セルロースの熱分解生成物であるレボグルコサン(LG)とポリエチレン (PE)の熱分解生成物である炭化水素が、気相中でラジカル相互作用することを報告している。その知見を基に、プラ・バイオマス熱分解生成物同士のラジカル伝播を促進する温度および熱分解雰囲気を見出し、熱分解生成物をシナジー的に軽質化していく。 また、マルチディテクターGCを導入した生成物のオンライン分析も取り入れて、共熱分解機構のより詳細の検討を試みる。
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