2020 Fiscal Year Annual Research Report
Recovery of ecosystem for 20 years after the 2000 year great eruption in Miyake-jima Island
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19H04315
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
上條 隆志 筑波大学, 生命環境系, 教授 (10301079)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
樋口 広芳 慶應義塾大学, 自然科学研究教育センター(日吉), 訪問教授 (10111486)
高橋 俊守 宇都宮大学, 地域デザイン科学部, 教授 (20396815)
長谷川 雅美 東邦大学, 理学部, 教授 (40250162)
加藤 和弘 放送大学, 教養学部, 教授 (60242161)
田村 憲司 筑波大学, 生命環境系, 教授 (70211373)
太田 寛行 茨城大学, 農学部, 学長 (80168947)
廣田 充 筑波大学, 生命環境系, 准教授 (90391151)
西澤 智康 茨城大学, 農学部, 准教授 (40722111)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 長期モニタリング / 生物多様性 / 生態系機能 / 火山島 / 三宅島 |
Outline of Annual Research Achievements |
衛星リモートセンシングを用い植生回復過程を検討した。解析には、Terra/ASTERによって観測されたLevel3Aの可視近赤外バンド画像を用いた。取得した画像に幾何補正と放射量補正を施したのち、最大NDVI法により大気効果を除去し、5時期分のデータに集成した。設置された18地点の固定調査区で植生調査を行った。火口周縁部でのハチジョウススキの増加と常緑広葉樹の増加を経年比較からとらえることができた。ハチジョウススキについては、クロロフィル蛍光を用いた光合成の測定を行い、生育状況を評価した。 土壌系については、固定調査区のある3地点を対象に一般理化学性分析および土壌微細形態解析を行い、20年後の発達状況を検討した。最表層の土壌構造の発達が顕著に見られた。土壌有機物の蓄積メカニズム解明のため、軟X線顕微鏡、X線吸収スペクトル、選択溶解法を用い、有機無機集合体の炭素官能基組成と鉱物種を解析した。土壌系の機能評価のため、10地点の固定調査区で土壌呼吸速度と土壌窒素無機化速度の計測をそれぞれアルカリ吸収法とレジンコア法を用いて行った。噴火後の土壌動物群集の回復過程を明らかにすることを目的とし、11地点で中型土壌動物とミミズを採取した。過去データとの比較から、中型土壌動物の分類群数とミミズの増加が確認された。微生物群集については、火口付近では、ハチジョウススキの出現に応答した微生物生態系の遷移と共に、遅れて出現した蘚苔類に対しても、それとは異なった微生物生態系の応答が観察され、火山灰堆積物から始まる初成土壌形成の複雑な様態が明らかとなった。 鳥類群集を対象として、越冬期調査に2センサスルートでロードサイドセンサス(2001年からの継続調査)、9地点で定点センサスを行った。また、シジュウカラとヤマガラを対象とした巣箱調査、国内外来種のニホンイタチの糞採取と糞分析などを行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初、新型コロナウィルスの感染拡大防止の観点から現地調査に遅れを生じたが、6月以降、現地調査が可能になり、進捗状況は好転化した。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画では、今年度は取りまとめとシンポジウム開催を計画していたが、三宅島でのシンポジウム開催は、新型コロナウィルスの感染拡大防止の観点から困難である。一方、全体として、モニタリング調査自体の遅れもあり、研究成果のとりまとめとモニタリング現地調査を中心に行うこととした。なお、シンポジウムについては、本研究課題終了後の来年度に三宅島現地あるいいはオンラインでの実施を検討している。別途、予算獲得を検討中である。
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Research Products
(11 results)