2019 Fiscal Year Annual Research Report
忌避物質のマテリアルフロー分析と資源循環高効率化の余地の定量化
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19H04325
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
村上 進亮 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (40414388)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
醍醐 市朗 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 特任准教授 (20396774)
山口 勉功 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (70220259)
所 千晴 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (90386615)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 忌避物質 / クロム / 組み合わせ最適化 / 資源の重み付け指標 / 未利用資源の最小化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題は様々な素材製造プロセス(天然資源由来であれ、循環資源由来であれ)における忌避物質を同定し、そのマテリアルフローを可視化することで、忌避物質として有効利用されない物質の量を定量的に捕捉することが第一の目的である。そしてあるプロセスAにおいて忌避物質とされる物質xを有効利用できるプロセスBがあるならばそれを発見し、xは極力Bに投入されるような形で、現状の素材製造技術を所与としたまま、その順序・組み合わせを最適化することによる資源有効利用の戦略を考えること、そのためにどのような中間処理技術を用いる必要があるのかを明らかにすることが第二の目的である。 これを鑑み、初年度では次のようなことを実施した。まず、MFA実施グループがマテリアルフロー分析を通し、普通鋼電炉、非鉄、セメント産業における忌避物質を整理した。それぞれの受け入れ基準等については技術情報グループが調査を順次進めているところである。この中では、かなりの物質を受けることのできるセメントを含めた全体最適を考えた場合にも、ステンレス鋼由来のクロムがリサイクルにおいてかなりの場合で忌避物質となることがわかった。これらの情報を得ながら選鉱・中間処理の情報集約も行った。 次に、データ収集と並行して、最適化のための問題の定式化、ダミー値を用いての最適化の試行などを実施した。素材製造プロセスの種類数と、物質の数に当然よるが、かなり大型の組合せ最適化問題にはなるが、汎用ソルバーによって解放可能であることを確認した。この場合の最適化とは未利用資源の重さベースでの単純最小化であるが、費用を集めることができるならば費用最小化も可能である。また、資源枯渇等の指標を用いてより重要な資源を捨てないようなプロセスの組み合わせを考えることも可能であり、こうした検討のために、資源の重み付け指標の収集も行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
MFA実施グループ、技術情報グループともに基本的には計画通りに進んでいる。ただし、技術情報グループが担当する、定量的な忌避物質の受け入れ限界等の調査には対面調査が必須である。これを今年度終盤から次年度前半にかけて詰める予定であったが(予備的調査は行いネットワーク作りは進めている)昨今のコロナウイルス の影響を受け調査がやや遅れ始めている。この影響が大きく出る可能性は令和2年度前半になると考えられるが、これを踏まえ、最適化のツール作成、そこにおける評価指標の検討などを前倒しすることで、研究全体としては順当に進んでいると言える。 今年度は初年度であることもあり、学会での口頭発表を中心に対外発表を年度末に考えていたが、残念ながらその機会は全てなくなっている。これは次年度以降に補うこととする。 総じて順調ではあるが、遅れが生じた部分があること、対外発表を結果的に行えなかったことからおおむね順調に進展していると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
進捗状況の項にも記した通り、対面による調査を必要とする忌避物質の受け入れ限界情報などの収集の遅滞が懸念されている。そこで、合わせて先にも記した通り、研究の取りまとめに関わるであろう最適化ツールの作成、最適化の際に用いるであろう指標の作成などを先行して進めることで、対面調査によるデータを入手し次第、他の作業が進むための準備を今後も続けていく予定である。ある程度のダミー数値等は理論的なもの、文献情報によるものなども入手可能だと考えられることから、当初はこうした数値を用いた計算を続け、実データが入手可能になり次第順次置き換えていくこととする。 また、多少の選択と集中が必要になる場合には、今年度明らかにした、クロムの問題を解決できるかを中心に据えることを考えている。 令和元年度の進捗にも記した通り、対外発表の機会の多くを失ってきた。よってこれを今後積極的に補填する必要があるとともに、社会情勢が不安定であることを踏まえ、口頭発表を経ずに論文投稿へ進むようなことも検討している。
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Research Products
(1 results)