2022 Fiscal Year Annual Research Report
Risk assessment of the regional impact of the China "One-Belt-One-Road" (OBOR) project
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19H04362
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Research Institution | Rakuno Gakuen University |
Principal Investigator |
星野 仏方 酪農学園大学, 農食環境学群, 教授 (80438366)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
保原 達 酪農学園大学, 農食環境学群, 教授 (70391159)
中谷 暢丈 酪農学園大学, 農食環境学群, 教授 (90423350)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 一帯一路(BRI) / カザフスタン / オアシス農業 / インフラ投資 / リモートセンシング / 表土損失 / ジャルケント地区 / トウモロコシ栽培 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は中国「一帯一路(BRI)」のインフラ整備と投資プロジェクトによる中央アジアオアシス農業への影響と食の安心・安全へのリスク評価の一部成果をまとめ、いくつかの国際会議(COSPAR2022, IGARSS2022, GeoEnv2022)の場で公表した。また、2019年に実施した調査、つまりカザフスタンアルマトイ州パンフィロフ地区で(ジャルケント市を中心に)中国のBRI関連投資による農地拡大に伴い過去に廃棄された一部のオアシス農地が再墾され、再開墾された土地にトウモロコシの栽培が行われている状況を論文化した(英語とロシア語でCentral Asia's Affairs 88(4)に2022年12月15日公表した)。中国政府が片手で農業への投資を増やし、それによってトウモロコシ畑が拡大されオアシスがどんどん開墾され、一方ではカザフスタン境内のBRI沿線でインフラへの投資によって農地面積が減少している。この矛盾とも言える二つの真逆な投資行為によってイリ川とウスク川のオアシスが著しく縮小している。その結果をJournal of Arid land Studies, 32(S), 2022に公表した。GIS(地理情報システム)とリモートセンシング技術を用いてBRI沿線の土地利用の変遷の空間データベースを作成しました。そのほか、採集した土壌と水質の化学分析を進めて論文化する準備をしています。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度は予定通りに今までの一部の研究成果を論文化することができて、また国際会議で公表した。GIS(地理情報システム)上で「一帯一路BRI」沿線の土地利用のデータベースを作成し、またBRI全線マップも完成した。国際共同研究を展開し、国際ネットワークの構築の準備に着手している。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度の2023年度は主にBRIのアンダーパスが家畜・野生動物の移動、および地域のコミュニティの分断への影響を明らかにするために現地調査を行います。現地調査とインタビューを通して、BRIがオアシスの野生動植物の生態系、および地域住民の生活や生産への影響を明らかにする。また水質と土壌の分析結果を公表する予定です。
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