2019 Fiscal Year Annual Research Report
Competitive advantage in tourism destination:Role transformation on DMO managers triggered by increase of visitors to Japan
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19H04381
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Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
八島 雄士 和歌山大学, 観光学部, 教授 (00320127)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹林 明 和歌山大学, 観光学部, 教授 (20258495)
金 宰ウク 広島大学, 人間社会科学研究科(社), 講師 (50599264)
佐野 楓 和歌山大学, 観光学部, 准教授 (60707298)
Doering Adam 和歌山大学, 観光学部, 准教授 (70784560)
永井 隼人 和歌山大学, 観光学部, 講師 (80784280)
牧野 恵美 広島大学, 学術・社会連携室, 准教授 (90706962)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | DMOマネジャー / パートナーシップ / 長期的成果 / 観光ガイド / 観光指標 / 自立型組織 / マネジメント・コントロール |
Outline of Annual Research Achievements |
3つのプロジェクトに分けて研究実績を示す。 (1)DMOマネジャーの役割定義に関するプロジェクト:DMOと産業界とのパートナーシップが,財務のみならず,顧客やコミュニティなど長期的な成果に貢献する可能性について,DMOマネジャーの役割に焦点をあてた議論をするためのパイロット調査として,訪日旅行者が急増するディスティネーションとして注目される「大阪」のケーススタディを進めた。具体的には,大阪観光局を中心に,賛助会員制度に着目して,産業界との関係性について,インタビュー調査を複数回,実施した。 (2)観光ガイドマネジャーの要件定義とサービス品質認証に関するプロジェクト:観光ガイドを統括する観光ガイドマネジャーの必要性 ,実際の業務プロセス,実施能力について,サービス品質の観点から議論するために,和歌山県庁および和歌山県田辺市を中心に実態調査を行った。具体的には,第一に,田辺市における観光ガイド組織の実態と今後の方向性を検討する材料として,基礎資料の整理および運営リーダーにインタビュー調査を行った。第二に,和歌山県観光交流課および観光連盟に,現状把握のためのインタビューを実施した。また,和歌山県が推進する地域通訳案内士制度に着目し,その現状およびSocial Mediaの利用状況についてインタビューした。加えて,観光連盟が使用するキャラクターである「わかぱん」に関わる旅行者の反応について,Facebookを中心に調査した。 (3)地域コミュニティ・ベースの自律型組織の形成要因とマネジメント・コントロールの類型化プロジェクト:DMOマネジャーが地域コミュニティをベースとする持続可能な観光を実現するための組織形成について,個々の判断に委ねられる自律型組織とそのマネジメント・コントロール について議論する全地として,観光指標の役割を中心に文献レビューや先発事例を調査した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
3つのプロジェクトに分けて進捗状況を示す。 (1)DMOマネジャーの役割定義に関するプロジェクト:大阪観光局を中心にインタビュー調査を実施し,その経過を踏まえて,研究フレームワークについて,文献レビューなどを踏まえて議論した。ただ,日本と海外との法制度的な相違に起因する複雑性を整理する必要があり,明確に定義するには至っていない。 (2)観光ガイドマネジャーの要件定義とサービス品質認証に関するプロジェクト:和歌山県庁および和歌山県田辺市を中心に実態調査を行った結果を踏まえて,Social mediaを使ったプロモーションに関連した学会発表を準備する過程で実験室実験のプレテストを実施した。ただ,海外の共同研究者から研究方法についての助言があり,より精緻な方法を検討するために,本テストを次年度に繰り越すことになった。 (3)地域コミュニティ・ベースの自律型組織の形成要因とマネジメント・コントロールの類型化プロジェクト:観光指標の役割について,文献レビューや先発事例を中心に研究を進めた。ただ,マクロな性格の観光指標とミクロなアプローチであるマネジメント・コントロールの類型化を整理する段階で,適切なモデルを探索することが課題として浮き彫りになった。 全体として,学会発表や論文投稿を念頭に,プロジェクトごとに調査を進めた結果,データ収集は進めることができた。一方,具体的に研究フレームワークとの関連性を検討するなかで,文献レビューからフレームワークを特定するまでに至らなかったことや研究方法に工夫の余地があることから,研究はおおむね順調に進展しているが,今後に継続して検討すべき課題が明らかになった。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度末から新型コロナウィルス感染拡大が見られ,人の移動が制限されるようになり,研究推進の環境が大きく変化した。特に,訪日旅行者がほとんどいなくなる状況のなかで,DMOマネジャーは,withコロナやafterコロナを想定してディスティネーションマーケティングやマネジメントを進める状況にある。そのため,本研究においても,パラダイム転換ともいえる環境変化に対応して今後の研究を次のように推進する。具体的には,3つのプロジェクト別に示す。 (1)DMOマネジャーの役割定義に関するプロジェクト:大阪観光局を中心にインタビュー調査を実施し,その経過から研究フレームワークについて課題がある。移動が制限されるなかで,今後は,文献レビューなど理論的側面を中心に議論する。また,新型コロナウィルス感染症の状況を踏まえ,リモートを含めてインタビューを実施する。オンライン調査など移動制限でも可能な方法を引き続き,模索する。 (2)観光ガイドマネジャーの要件定義とサービス品質認証に関するプロジェクト:和歌山県庁および和歌山県田辺市を中心として実態調査からSocial mediaを使ったプロモーションに焦点をあて実験室実験のプレテストを行った結果,本テストを次年度に繰り越して実施し,論文投稿することを計画する。 (3)地域コミュニティ・ベースの自律型組織の形成要因とマネジメント・コントロールの類型化プロジェクト:日本でも持続可能な観光に資する観光指標が観光庁の推進により進められている。withコロナやafterコロナを念頭に,今後のディスチィネーション・マーケティングやマネジメントのあり方について,観光指標の役割を中心に文献レビューや先発事例の研究を進める。
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Research Products
(4 results)