2020 Fiscal Year Annual Research Report
Origins of the mind that assumes "mind".
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19H04431
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
橋弥 和秀 九州大学, 人間環境学研究院, 准教授 (20324593)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 洋美 九州大学, 人間環境学研究院, 学術協力研究員 (30464390)
大槻 久 総合研究大学院大学, 先導科学研究科, 准教授 (50517802)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 心理化傾向 / こころの理論 / 発達 / 進化 / 数理モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
①自他の知識の階層性を検討する際に、自己認識とも、生後12か月の赤ちゃんが、自分の顔画像を見分けていることを明らかにし、論文を公刊した(Nitta & Hashiya, 2021)。 ②邦訳書「思考の自然誌」。Michael Tomasello著の”A natural history of human thinking”を邦訳書「思考の自然誌」として上梓した。③状況を踏まえて、非対面調査のシステムも新たに構築した。 なお、繰り越し予算をもとに、2022年度に下記の研究をおこなった。①公平/平等分配傾向とその発達についての実験研究(小島風夏との共同研究):離散的な複資源の分配方略についてオンラインの行動実験を行い、成人が「平等(資源そのものの等分配)」よりも「分配結果の公平(分配前の不均衡を踏まえた分配)」を多くおこなうことを明らかにし、更に「過程を考慮した公平(分配前の不均衡に至る過程も踏まえた分配)」を加えた実験では、被験者の方略はこの3つに分かれることをあきらかにした。同じパラダイムで5-9歳児を対象とした対面実験をおこない「過程を考慮した公平」分配が5-9歳児では見られないことがあきらかになった。②異なる分配方略を示すキャラクターへの他者の選好について、期待違反法を用いた対面実験をおこない、日本とノルウェーでの結果を比較するOslo大との共同研究を開始した。③「教える」と「教わる」という、教育を検討する上でしばしば二極に分けられる営為について、コミュニケーション文脈における「自他間の認識論的ギャップ解消」という志向性を想定することで統一的に理解することを提案する理論的展望を提示した。④アウトリーチとしての一般書「飛ばないトカゲ」出版(小林洋美著、橋彌和秀解説)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
状況を反映して、乳幼児と保護者の方との対面実験が実施しにくい状況が続いており、オンライン実験での対応は鋭意行っているがデータ取得が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
対面実験の全面再開に向けた準備は随時行っている。一方、オンライン実験のノウハウを蓄積したことを利用し、国際共同研究への展開を行っている。
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[Book] 思考の自然誌2021
Author(s)
マイケル・トマセロ、橋彌 和秀
Total Pages
320
Publisher
勁草書房
ISBN
9784326154692