2022 Fiscal Year Annual Research Report
刺激選択性の起源:新奇視覚カテゴリ獲得に伴う神経―行動連関の縦断的変化の解明
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19H04433
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Research Institution | National Institutes for Quantum Science and Technology |
Principal Investigator |
松吉 大輔 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 量子生命科学研究所, 研究員 (70547017)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 刺激選択性 / 可塑性 / 高次視覚カテゴリ / MRI / 縦断研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
高次視覚カテゴリ(顔・身体・風景・文字・物体等)は、脳の異なる領域で選択的に処理されている。しかし、それら刺激選択的領域の活動を即時的に調べるだけでは「そもそも視覚カテゴリ選択性はどのようにして獲得されたのか」という根本的な問いには答えられない。文字への選択性は明らかに経験によるものであるが、新奇な「モノ」が脳に特別な場所を与えられる(選択的領域が生じる)過程で、脳にはどのような機能的・構造的変化が生じるのだろうか? そこで本研究ではこの脳の刺激選択性の起源を明らかにするため、長期間学習による新奇視覚カテゴリの獲得過程をMRIと行動の縦断的測定によって検討した。新奇視覚カテゴリの獲得に伴う脳の機能・構造的な変化を継時測定することで、脳の刺激選択性の起源の一端を明らかにすることが本研究の目的である。新型コロナウイルス蔓延による検査中止、検査途中でのMRI機械の更新、発注先業者の装置開発の遅延のため、検査を中断せざるを得ない期間が続いたものの、研究費の繰越を行うことで対応できた。研究の結果、マクロ脳構造(灰白質・白質・脳脊髄液)レベルでは変化がない(加齢による)ものの、マクロ脳機能・構造レベルでは長期間学習による神経系の再組織化・変化が生じる可能性が示された。新奇であった「モノ」が脳において特別な「モノ」となる(from "a thing" to "the thing") 刺激選択性の獲得過程において、脳は構造・機能の両面で変化することで、効率的な心的処理を支えていると考えられる。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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