2019 Fiscal Year Annual Research Report
Development of photonic crystal resonator for epigenome analysis
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19H04451
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
遠藤 達郎 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (40432017)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | フォトニック結晶 / ナノ共振器 / ナノインプリントリソグラフィ / バイオセンサ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、バイサルファイト法等煩雑な操作の必要なく①可視領域の光でDNA鎖中シトシン塩基のメチル化に起因するわずかな分子量・構造変化を屈折率変化として高感度に直接検出可能な光学素子「フォトニック結晶(Photonic crystal: PhC)ナノ共振器」を設計・開発し、②DNA鎖のメチル化率を非染色で解析可能にし、③アルツハイマー病とDNAメチル化率の相関を明らかにすることにある。 当該年度では、フォトニック結晶ナノ共振器設計および作製条件の検討を行った。設計は、有限差分時間領域法を用いてフォトニック結晶ナノ共振器のサイズ・形状等を系統的に変化させ共振器内への光閉じ込め・増強効率の最適化を実施した。加えて最適化されたフォトニック結晶ナノ共振器構造の試作を実施した。 一方で、可視領域において高い屈折率を有する材料である二酸化チタンを基材としたフォトニック結晶をナノインプリントリソグラフィーと液相析出法を用いて作製し、DNAハイブリダイゼーションの検出・定量を試みた。DNAハイブリダイゼーションの検出には、特定塩基配列を有するプローブDNAを固定化した後、異なる濃度に調製したターゲットDNA溶液を滴下、ハイブリダイゼーションさせることによって誘起される周辺屈折率変化を反射スペクトル変化として観察した。その結果、二酸化チタンを基材として作製したフォトニック結晶を用いることにより、検出下限濃度をnMオーダーにまで向上させることに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
有限差分時間領域法を用いて高感度にメチル化を検出可能なフォトニック結晶ナノ共振器の構造を明らかにしている。しかし設備の不調により、フォトニック結晶作製に遅延が生じた。一方で二酸化チタンを基材としたフォトニック結晶を用いることで、これまでの実績よりも低濃度のターゲットDNAの検出・定量に成功し、有用性を明らかにすることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、フォトニック結晶ナノ共振器の試作を実施し、作製条件の最適化およびメチル化DNA検出への応用を実施することを計画している。併せて、メチル化DNAの検出事例として意義のある配列についても選定を進めていく。
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