2019 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト脳オルガノイドの成熟化誘導技術と自動解析技術の開発
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19H04458
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
玉田 篤史 関西医科大学, 医学部, 准教授 (60270576)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
六車 恵子 関西医科大学, 医学部, 教授 (30209978)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 多能性幹細胞 / 脳オルガノイド / 多次元イメージング / 画像解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、ヒト多能性幹細胞の分化誘導技術(オルガノイド技術)とイメージング・画像解析技術を融合させることで、ヒトの脳組織を人工的に創り出して構造と機能を計測して解析するに至るまでの一連の技術を開発することを目的とする。これにより、これまで技術的・倫理的に不可能であったヒトの脳に関する実証研究を行うための標準プラットフォームを構築する。具体的項目は、(A)ヒトES・iPS細胞からの成熟脳オルガノイド作製、(B)オルガノイドの多次元イメージング、(C)オルガノイドの内部構造・活動状態の定量的自動画解析の3つである。本年度は、研究目的で掲げた3つの項目に関して以下の研究を実施した。(A)「ヒトES・iPS細胞からの成熟脳オルガノイド作製」に関しては、確立済みの自己組織的神経分化誘導法(SFEBq法)に改良を加えて、より成熟した3D脳オルガノイドを作製するための技術を開発しようと試みた。(B)「オルガノイドの多次元イメージング」に関しては、作製したオルガノイドの3Dイメージング、および、時間軸を含めた4Dライブイメージングに関する技術を開発に取り組んでいる。(C)「オルガノイドの内部構造・活動状態の定量的自動画解析」については、オルガノイドのイメージングによって得られる3D・4D画像を定量的に自動解析する技術を開発している。数値計算用のGPUワークステーションを導入し、コンピュータービジョン・機械学習の技術を駆使しながら技術開発を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(A)ヒトES・iPS細胞からの成熟脳オルガノイド作製: 自己組織的神経分化誘導法(SFEBq法)の改良を進めて、大脳皮質に関してはより成熟した3D脳オルガノイドを作製する技術を確立しつつある。 (B)オルガノイドの多次元イメージング: オルガノイドのカルシウムイメージングに関する技術を確立しつつある。また、様々な細胞種をマルチカラーで標識するための遺伝子改変技術も確立しつつある。 (C)オルガノイドの内部構造・活動状態の定量的自動画解析: GPUワークステーションを活用し、オルガノイドのイメージングによって得られる3D・4D画像を定量的に自動解析する技術の開発に取り組んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
(A)ヒトES・iPS細胞からの成熟脳オルガノイド作製: 昨年度より着手している自己組織的神経分化誘導法(SFEBq法)の改良をさらに進めて、より成熟した3D脳オルガノイドを作製するための技術を開発する。 (B)オルガノイドの多次元イメージング: 引き続き、作製したオルガノイドの3Dイメージング、および、時間軸を含めた4Dライブイメージングに関する技術開発を実施する。神経細胞の多色イメージング法、神経活動の計測技術に重点をおいて開発する。 (C)オルガノイドの内部構造・活動状態の定量的自動画解析: オルガノイドのイメージングによって得られる3D・4D画像を定量的に自動解析する技術を開発する。コンピュータービジョン・機械学習の技術を駆使しながら技術開発を実施する。
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