2020 Fiscal Year Annual Research Report
MRIアーティファクトフリーとX線視認性を両立させた新規医療用形状記憶合金の創製
Project/Area Number |
19H04463
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
金高 弘恭 東北大学, 歯学研究科, 教授 (50292222)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
細田 秀樹 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 教授 (10251620)
高瀬 圭 東北大学, 医学系研究科, 教授 (60361094)
沼野 智一 東京都立大学, 人間健康科学研究科, 准教授 (10399511)
古谷 真衣子 東北大学, 歯学研究科, 学術研究員 (20792526)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 生体材料 / 形状記憶合金 / 超弾性 / MRI / アーティファクトフリー |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、形状記憶効果と超弾性特性を併せ持つ形状記憶合金が着目されるようになった。しかしながら、現在、唯一実用化されているNiTi合金は、生体安全性への懸念、MRI撮影やX線CT撮影時の金属アーティファクト、さらに、血管X線撮影では低い視認性など、臨床的な問題が指摘されている。そこで本研究では、人体と同じ体積磁化率を有し、かつ重元素で構成される形状記憶合金としてAuCuAl合金を作製する。材料特性および生体適合性についての評価結果を材料作製段階までフィードバックしながらMRIアーティファクトフリーとX線視認性を両立させた合金を開発し、その生物学的安全性と臨床的有効性を検証する。 本研究では、最新の材料学技術に基づく合金設計および組成制御により、MRIアーティファクトフリーとX線視認性を両立させた新規医療用形状記憶合金を創製することを目的とした。具体的には、人体と同じ体積磁化率を有し、かつ重元素で構成される形状記憶合金としてAuCuAl合金を作製する。材料特性および生体適合性についての評価結果を材料作製段階までフィードバックしながらMRIアーティファクトフリーとX線視認性を両立させた合金を開発し、その生物学的安全性と臨床的有効性を検証した。 本年度の研究成果として、開発したAuCuAl合金に対する性能評価を行った。具体的には、①形状可変機能(形状記憶・超弾性)および機械的特性評価、②MRIアーティファクト評価、③X線視認性評価、④生体適合性評価により開発合金の性能評価を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
年度当初の研究実施計画通りに、研究が進捗しているため。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策としては、現在までおおむね順調に研究が進展していることから、2021年度には当初研究計画の通り、下記項目について実施する予定である。 ①新しい超弾性形状記憶合金のin vitro系における生体適合性評価:細胞増殖、細胞毒性などの評価項目について、チャイニーズハムスター胚由来線維芽細胞株(V79)およびヒト冠状動脈内皮細胞(HCAEC)を用いて検討を行う。 ②動物実験モデルによる新合金の臨床的有用性検証(in vivoでの評価):動物実験での埋植・感作試験によるin vivoにおける生体適合性評価、さらに実際に血管内への挿入実験によって新合金の臨床的有用性および安全性について明らかにする。 ③MRIアーティファクト評価およびX線視認性評価:本研究にて開発された新合金に対し、実際に臨床現場で使用するものと同等のMRI装置およびX線撮影装置を利用して撮影を行い、MRIアーティファクトおよびX線視認性を評価する。
|