2022 Fiscal Year Annual Research Report
二重特異性抗体を用いたBNCTホウ素デリバリーシステムの開発
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19H04472
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Research Institution | Osaka Metropolitan University |
Principal Investigator |
長崎 健 大阪公立大学, 大学院工学研究科, 教授 (30237507)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ホウ素中性子捕捉療法 / 二重特異性抗体 / 体内動態 / インビボイメージング / 腫瘍集積 / 担がんマウス |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度までに、SKOV3細胞担がんマウスにおいてBSH-Her2二重特異性抗体の腫瘍集積性を確認できたものの、BSH-BSAの腫瘍集積性を確認するまでには至っていなかった。今回、二重特異性抗体とBSH-BSAを事前組織化し投与することで腫瘍組織でのホウ素濃度が25 Bppmに達し、BNCT効果が期待できるホウ素集積性を有していることを確認した。 抗BSH抗体の親和性が解離定数430 nM と不十分であっため、未確認ラビットリンパ球からより親和性の高い抗体の単離を試みた。新たにBSH結合能を有する抗体を産生するリンパ球2クローンを見出し、2つの新らたな抗BSH抗体を得た。しかし、ELISAによる評価より既存の抗体よりもBSHに対する親和性はいずれも低いことが示唆された。既存抗BSH抗体より親和性が高い抗体を得るためには、これまでに得られた抗BSH抗体の抗原結合部位アミノ酸配列を参考に、ポイントミーテーションを導入するなどしてより高親和性抗BSH抗体の獲得を目指す必要がある。 SKOV3細胞担がんマウスに対するBSH-Her2二重特異性抗体/BSH-BSA複合体を用いたBNCTにおいて、一時的な腫瘍増殖抑制効果が見られたものの、その後30日経過後に再増殖し、完治することはなかった。その原因の一つとして、がん関連マクロファージ(TAM)の関与が挙げられた。BPAを用いたBNCTを実施し、極性制御剤候補であるシコニンを併用すると5匹中2匹で腫瘍が消失、平均でも腫瘍体積が1/100に縮小し、照射後におけるTAM極性制御によるがん微小環境制御による効果と考えられた。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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