2019 Fiscal Year Annual Research Report
Investigation of optimal polyphosphoester structure for bone treatment
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19H04474
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
岩崎 泰彦 関西大学, 化学生命工学部, 教授 (90280990)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大高 晋之 関西大学, 先端科学技術推進機構, 特別任命助教 (30739561)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 骨治療 / ポリリン酸エステル / プロドラッグ / 骨粗鬆症 / 骨転移 |
Outline of Annual Research Achievements |
リン酸ジエステル型ポリマーの合成と化学修飾:骨指向性ポリマーの候補とし、複数種のリン酸ジエステル型ポリマーを合成した。既報ではリン酸ジエステル型ポリマーを獲得するために悪臭を発するアミンとイオン交換樹脂の大量使用が必須であったため、合成経路の検討も行った。アルキニル基を介し蛍光物質を導入したリン酸ジエステル型ポリマーの合成にも成功した。
PPEの分解性試験:緩衝液中および細胞培養環境下におけるリン酸ジエステル型ポリマーの分解性を評価した。Tris-HCl緩衝液(pH7.4)中にポリマーを溶解し、経時的な分子量変化をサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)で計測した。また、細胞培養環境下の試験では蛍光修飾したPPEを含む培地でマウス骨芽細胞様細胞(MC3T3-E1細胞)培養し、所定時間ごとに細胞溶解液を回収し、SECで分子量変化を追跡した。いずれの条件においてもポリマーが短時間に分解消失することはなく、比較的安定に維持されることがわかった。
PPEの細胞内取り込み評価:蛍光修飾したリン酸ジエステル型ポリマーを合成し、所定濃度のポリマーを含む培地内で上述した細胞に加え、MC3T3-E1細胞およびマウスマクロファージ(RAW276.4細胞)を培養した。24時間経過後、細胞に取り込まれたポリマーの定量を本研究費で導入したマイクロプレートリーダーを用いて行った。その結果、リン酸ジエステル型ポリマーはRAW276.4細胞に取り込まれやすく、また主鎖の炭素数が増すに連れてMC3T3-E1細胞への取り込みが多くなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
構造の異なる複数種のポリリン酸エステル(PPE)の合成と特性評価を実施し、当初計画通り研究を進めることができている。また、20年度以降に計画した骨系細胞の分化に与えるPPEの影響についても一部実験を前倒ししてPCR法などによる評価を開始した。
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Strategy for Future Research Activity |
20年度以降も研究計画に従い、ポリリン酸エステル(PPE)が骨系細胞に与える影響を詳細に調査し、骨リモデリングの制御機構を明らかにする。さらに、骨粗鬆症モデル動物を用いたPPEの薬理活性についても調べ、骨治療に資するポリマー医薬の開発を目指す。
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Research Products
(14 results)