2021 Fiscal Year Annual Research Report
Investigation of optimal polyphosphoester structure for bone treatment
Project/Area Number |
19H04474
|
Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
岩崎 泰彦 関西大学, 化学生命工学部, 教授 (90280990)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | ポリリン酸エステル / 生分解性ポリマー / 骨芽細胞 / 破骨細胞 / 骨粗鬆症 / 骨リモデリング / 標的指向性 / 薬物輸送 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,骨に高い親和性を示すポリリン酸エステル(PPE)が骨系細胞の分化や機能におよぼす影響を生化学的手法によって明らかにすること,また,同ポリマーによる骨疾病モデル動物の健全化を試み,骨治療に資するポリマーの創出を目的として実施された。2021年度は本研究課題の最終年度であり、2019年度からの研究により最適化した骨指向性PPEの骨系細胞に与える影響の調査、マウスも用いたPPEの体内動態解析、さらに疾患モデルマウスを用いた薬効評価を実施した。まず、PPEの合成では主鎖ならびに側鎖に異なる化学構造を有するPPEを合成した。特に,リン酸トリエステル結合やリン酸ジエステル結合を主鎖に持つ複数種のポリマーの合成し、骨系細胞に作用させたところ,リン酸時エステルポリマーが骨芽細胞の分化を促進することを遺伝子レベルから石灰化気質の産生に至るまで系統的に評価し,明らかにした。一方,同ポリマーが末梢血単核球が破骨細胞へ分化する過程を抑制し,骨吸収を抑える働きがあることも見出した。すなわち,リン酸時エステルポリマーが,骨系細胞の分化に影響を与え,延いては骨リモデリングの制御に資する可能性があることを示すことができた。細胞を用いたin vitro評価で最適化したPPEをマウス尾静脈より注入し,体内動態を調べた。その結果,リン酸ジエステル結合を主鎖に持ち,親水性の高いポリマーが骨組織に効率よく集積することを明らかにし,同ポリマーは注射後3週間を過ぎても骨組織に存在することがわかった。また、他の臓器への蓄積は認められなかった。最後に,骨粗鬆症モデルマウスに同ポリマーを注入したところ、骨溶解が遅延される傾向が認められた。詳細なメカニズムの解析にはさらなる研究を要するが,PPEの新たな機能を見出すことができた。
|
Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(13 results)