2020 Fiscal Year Annual Research Report
赤外線マルチカメラによる胸腔鏡下手術支援システムの開発
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19H04491
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
森本 雅和 兵庫県立大学, 工学研究科, 准教授 (10305683)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
眞庭 謙昌 神戸大学, 医学研究科, 教授 (50362778)
松井 伸之 兵庫県立大学, 工学研究科, 特任教授 (10173783)
田中 雄悟 神戸大学, 医学部附属病院, 講師 (20403256)
礒川 悌次郎 兵庫県立大学, 工学研究科, 准教授 (70336832)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 手術支援システム / マルチスペクトルカメラ / 赤外線画像変換 / AI画像解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
内視鏡トレーニングキットを用いて,内視鏡とは別に補助カメラを設置した状態で鉗子等による軽作業時の作業効率の変化を調べる実験を行った.当初の予定では,ある程度内視鏡手術トレーニングの経験のある医学部学生を被験者に実験を行う予定であったが,新型コロナの影響により医学部への立ち入りが困難であったため,工学研究科の学生を被験者に実験を行った.その結果,補助カメラを設置し,別視点を提示することで,作業速度がおよそ2割改善する結果を得られた. また,補助カメラとして赤外線カメラを使用して血管などを強調表示することを検討しているが,赤外線カメラ映像をAIの技術を用いて通常の可視光カメラ映像と同様の色調に変換する実験を行った.内視鏡手術映像から各フレーム画像を切り出し,それをモノクロ画像に変換したものを赤外線カメラ映像に模擬し,モノクロ画像からカラー画像への変換実験を実施した.その結果,学習サンプルに多く含まれない色合いの組織については正しく色を復元できなかったが,ほとんどの状況において違和感のない色合いを復元できることを確認した. また,最初に購入したマルチスペクトルカメラでは,カメラ駆動によるスキャンが必要であり,動物実験中の撮影に被写体が動くことによる画像の歪みが問題となったため,新たにスナップショット可能かつバンド数の多いマルチスペクトルカメラを購入した.今後このカメラ画像を用いた解析をすすめる予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナの影響により,神戸大学医学部の医師・学生の協力を得て実施予定であった豚の生体肺のマルチスペクトルカメラによる撮影と,動物実験による内視鏡手術時もしくは手術トレーニング時に,サブカメラを設置し複数のカメラ映像を用いた状態での内視鏡手術についての実験とヒアリングを実施することができなかった. 一方,医学部で行う必要の無い実験・開発については順調に進んでいる.
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Strategy for Future Research Activity |
医師の協力のもとでの動物実験を実施する.緊急事態宣言下での実施は難しいが,新型コロナワクチン接種が進み医療体制に余裕ができ次第実験を実施する.実験では,胸腔内に複数の小型カメラを設置し,一般的な胸腔鏡手術手技の妨げにならないか,追加カメラによる別視点映像が手術に有益かの検証を行う.同時に,新たに購入したスナップショット可能な25バンドのマルチスペクトルカメラにより豚の生体肺を撮影し,血管の強調表示や,赤外線画像からの可視光画像への色合い変換について,その精度を検証する.
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Research Products
(1 results)