2020 Fiscal Year Annual Research Report
Establishing Quality Indicators of Real-World Data and Leveraging Use in Clinical Research
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19H04496
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山田 知美 大阪大学, 医学部附属病院, 特任教授(常勤) (60363371)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武田 理宏 大阪大学, 医学部附属病院, 准教授 (70506493)
倉上 弘幸 大阪大学, 医学部附属病院, 特任助教(常勤) (20738421)
三原 知子 大阪大学, 医学部附属病院, 特任助教 (80838392)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | リアルワールドデータ / 品質評価 / 臨床研究データ / 診療録データ |
Outline of Annual Research Achievements |
リアルワールドデータ(RWD)を臨床研究に利活用する際には、“データが研究に耐えうる品質を伴っているか否か”を判断しなければならない。本研究では、「小規模」であるが「品質コントロールが可能」な臨床試験データと、「品質コントロールは不可能」であるが「大規模」な診療録データ(すなわちRWD)の両者を比較することにより、RWDの品質を評価するための指標・基準を構築し、構築した指標や基準の妥当性評価、及び臨床研究に応用する際の限界を明らかにする。 2020年度は、未来医療開発部データセンターにてデータマネジメント及び統計解析を担当した消化器外科のOSK-0028治験を対象として、RWDとの比較を行った。 まず、治験のプロトコルに規定されたデータ収集項目のうち、RWDから抽出できる項目の割合(カバー率)について、「抽出可能/工夫をすれば抽出可能/抽出不可能」の3段階に分類して検討を行った。画像判定については自然言語解析を行った。単純に抽出できない項目については、抽出方法とその妥当性を検討した。次に、治験参加者47名を対象として、症例報告書のデータとRWDの一致性を確認した。抽出したRWDを利用する際に注意すべき点が浮き彫りとなり、それに対処すると高い一致率となった。本治験の重要な評価項目である「SIRS診断」については、複数パターンの抽出ルールを設定して比較を行った。医師の診断を伴う「肺合併症の重症度判定」については、決定木分析とロジスティック回帰分析による「術後肺合併症の発現」を予測するアウトカム定義を作成し、バリデーション研究を実施中である。同時に、治験のプロトコルの適格基準に合致する症例を、RWDから抽出することを試みた。電子カルテだけでなく、DPCの主病名やオーダー履歴、がん登録等のレジストリーデータを活用する必要があり、プロジェクトや施設に依り結果が大きく異なると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
交付申請書では、複数のプロジェクトに対する検討を同時に進める計画としていたが、研究分担者と協議し、まずは1つの医師主導治験を対象として進める方針とした。毎月、研究の進捗状況と方針の確認・協議を行う定例会議を開催しているが、毎回新たな発見や課題があり、試行錯誤しながら進めている。また、適宜治験の分担医師やCRCへの問い合わせも行い、慎重に検討を重ねている。術後肺合併症の発現に対するアウトカム定義のバリデーション研究では、カルテレビューを担当する医師の協力が必須となるため、研究の実施体制を強化した。また、2020年度は2つ目のプロジェクトとして、乳腺・内分泌外科のKBCSG-TR1917研究を追加した。プロトコルの改定と倫理委員会への変更申請を行い、研究方針の協議は行ったが、データ抽出作業には至っていない。新型コロナウイルスの影響により、テレワーク(在宅)ではアクセスが不可能な病院医療情報のデータ抽出作業が滞ったことが、進捗の遅れの要因と考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
OSK-0028治験について、これまでは研究目的を達成するために必要なデータの「カバー率」と「一致性」、「研究対象として適格な症例の抽出可能性」を検討したが、加えて、統計学的検出力に基づくアプローチでの検討も行う。術後肺合併症の発現に対するアウトカム定義のバリデーション研究と合わせて、OSK-0028治験に関して2編の論文を執筆予定である。 毎月、研究の進捗状況と方針の確認・協議を行う定例会議を開催し、適宜、治験の分担医師やCRCへの問い合わせも行い、試行錯誤しながら進めてきた。現時点では1つのプロジェクトの検討に留まっているが、RWDの品質評価指標・基準を構築するためには、複数のプロジェクトを分析し、それらの共通点やプロジェクト毎の特徴を踏まえる必要がある。2つ目のプロジェクトとしてKBCSG-TR1917研究を想定しているが、OSK-0028治験での経験を生かしてペースアップを図り、他施設への拡大も視野に入れて検討を行う。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Extracting clinical terms from radiology reports with deep learning2021
Author(s)
Sugimoto K, Takeda T, Oh JH, Wada S, Konishi S, Yamahata A, Manabe S, Tomiyama N, Matsunaga T, Nakanishi K, Matsumura Y.
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Journal Title
Journal of Biomedical Informatics
Volume: 116
Pages: 103729~103729
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Comparison of Long-Term Outcomes Between Combination Antiplatelet and Anticoagulant Therapy and Anticoagulant Monotherapy in Patients With Atrial Fibrillation and Left Atrial Thrombi2020
Author(s)
Sunaga A, Hikoso S, Nakatani D, Inoue K, Okuyama Y, Egami Y, Kashiwase K, Hirata A, Masuda M, Furukawa Y, Watanabe T, Mizuno H, Okada K, Dohi T, Kitamura T, Komukai S, Kurakami H, Yamada T, Takeda T, Kida H, Oeun B, Kojima T, Minamiguchi H, Sakata Y, for the OCVC Investigators
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Journal Title
Circulation Reports
Volume: 2
Pages: 457~465
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Study protocol for the PURSUIT-HFpEF study: a Prospective, Multicenter, Observational Study of Patients with Heart Failure with Preserved Ejection Fraction2020
Author(s)
Suna S, Hikoso S, Yamada T, Uematsu M, Yasumura Y, Nakagawa A, Takeda T, Kojima T, Kida H, Oeun B, Sunaga A, Kitamura T, Dohi T, Okada K, Mizuno H, Nakatani D, Iso H, Matsumura Y, Sakata Y; OCVC-Heart Failure Investigators.
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Journal Title
BMJ Open
Volume: 10
Pages: e038294~e038294
DOI
Peer Reviewed / Open Access