2019 Fiscal Year Annual Research Report
生体信号によるリアルタイム感情推定を用いた歩行補助・促進システムの開発
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19H04505
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
田中 英一郎 早稲田大学, 理工学術院(情報生産システム研究科・センター), 教授 (10369952)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
弓削 類 広島大学, 医系科学研究科(保), 教授 (20263676)
莊 俊融 早稲田大学, 理工学術院(情報生産システム研究科・センター), 助手 (70824283)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 小形歩行補助機 / トルクリミッター / 感情と歩容 / NIRS |
Outline of Annual Research Achievements |
これまで開発してきた患者向け歩行補助機をさらに発展させ,高齢者・健常者の運動促進を目的とした歩行補助機の開発を行った.高齢者・健常者には,強力な補助力は必要とせず,メトロノームのように指標となる歩行周期と底背屈を足関節で補助するだけで歩容改善することがすでに確認されているため,小形のモータを使用し,また足関節の内外旋動作を阻害しないよう外側フレームのみの構造とした.また,手軽に着脱できるよう,装着者自身の履いている靴の上から装着可能なものとした.装置のコントローラは無線化し,スマートホンもしくはタブレットにて操作可能とした.さらに,以前提案した過負荷防止用トルクリミッターは,破損時に使用者自身での交換やリミットトルクの調整が困難であるため,新構造を提案した.また,足関節背屈補助は,階段を上るときにも有効であることを確認した.しかし高齢者は階段の下りの片足立脚時に膝折れすることが多いため,無動力で膝折れ防止をする機構を提案した.今後,新提案の機構で試作を行い,装置に導入し,評価実験に使用する. 一方,物理的に補助するだけでなく,歩行中の感情を考慮しながら補助することを検討するため,感情状態と歩容との関連性についても方向性を確認した.まず,歩容マップ内の被験者ごとの理想歩行といえる歩行比のラインを予備実験にて取得し,このライン上に沿ってもしくはその直角方向に装置の目標パラメータをシフトさせると,感情が一定の方向にシフトする傾向があることを確認した.また,各方向に繰り返し変化させることにより,よりその傾向が高まることを確認した.さらに,それら4方向の歩容変化を順番に与えると,快かつ覚醒方向に戻ってきたとき,より強く感情が変化することを確認した.さらに,感情だけでなく疲労も考慮することを検討し,NIRSにより筋力疲労を評価できる可能性を検討した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度に,小形歩行補助機の開発,次年度に感情と歩容の関係の明確化,最終年度に臨床実験と計画していたが,概ね予定通り進んでいる.次年度の計画の準備も含めて初年度に進めることができた.
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度に明確化した感情と歩容の関係を用いて,歩行者の感情を快かつ覚醒に導く確認実験を行う.さらに,ラッセルの感情円環モデルに対し,3軸目の疲労を考慮した人間状態モデルを提案し,その有効性を確認する.さらに,最終年度には,感情と疲労を考慮した歩行補助実験を行い,その有効性を検証する.
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Research Products
(11 results)