2021 Fiscal Year Annual Research Report
Attosecond Science in the sub-keV region
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19H05628
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
緑川 克美 国立研究開発法人理化学研究所, 光量子工学研究センター, センター長 (40166070)
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Project Period (FY) |
2019-06-26 – 2024-03-31
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Keywords | 量子エレクトロニクス / アト秒科学 / レーザー工学 / 超高速光科学 / 非線形光学 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は、新たに開発した2色同軸法を使用して円偏光の高次高調波発生を行った。波長800nmの基本波とOPAから得られた波長可変のシグナル光(1320から1450 nm)用いることで円偏光高次高調波のカットオフエネルギーは軟X線域の180 eVに達し、先行研究で報告されていた最短波長を更新した。このとき、片方の基本波の波長を調整することで高次高調波の離散的スペクトルの周期構造による不連続性を解消した。これにより、強磁性体Fe、Co、NiのM吸収端やGdのN吸収端の詳細な構造を超高速で測定することができる光源となった。 また、これまで開発してきたTW級の3波長光シンセサイザーを用いて発生した高強度の孤立アト秒パルスの時間波形を計測するための光電子時間分解分光装置を構築し、パルスのキャラクタライゼーションを行い、パルス幅226アト秒で世界最高強度1.1 GW(10億ワット)の発生を実験的に確認することに成功した。今回、高エネルギーレーザーに独自の安定化技術を導入するとともに3波長パルスの制御法を確立することにより、繰り返し10Hz級の高エネルギーレーザーでは世界で初めて孤立アト秒パルスの計測に成功した。実験では、高強度アト秒パルス発生のためにこれまで開発してきた3波長レーザーシンセサイザーからの合成パルスを、相互作用長10 cmのArガスセルに照射し光子エネルギー約60eVのアト秒パルスを発生した。これを新たに開発した時間分解光電子計測装置(アト秒ストリークカメラ)とFROG-CRABと呼ばれ波形再構築手法を用いて、そのスペクトルおよび時間波形を測定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
波長800nmの基本波とOPAから得られた波長可変のシグナル光(1320から1450 nm)を励起光とした2色同軸法を開発して円偏光高次高調波のカットオフエネルギーは軟X線域の180 eVに達し、先行研究で報告されていた最短波長を更新した。このとき、強磁性体Fe、Co、NiのM吸収端やGdのN吸収端の詳細な構造を超高速で測定することができる光源となった。一方、TW級の3波長光シンセサイザーを用いて発生した高強度の孤立アト秒パルスの時間波形を計測するための光電子時間分解分光装置を構築し、より正確なパルスのキャラクタライゼーションを行い、パルス幅226アト秒で世界最高強度1.1 GW(10億ワット)の発生を実験的に確認することに成功した。これを多層膜鏡で集光することにより固体表面での2次高調波発生の道筋が拓けた。
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Strategy for Future Research Activity |
DC-OPAへのシード光を広帯域化するとともに位相整合条件を最適化することにより2μm帯の励起パルスのパルス幅をサブ2サイクルまで短くし、水の窓領域での孤立アト秒パルスの発生を行う。また、水の窓領域でのアト秒高調波による軟X線過渡吸収分光計測のための液体の薄膜ジェットターゲットを開発し、応用に向けてのビームラインの整備を行う。
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Research Products
(24 results)