2019 Fiscal Year Annual Research Report
Study on the mechanism of nutrient recognition and coordination of nutrient response in plants
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19H05637
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤原 徹 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (80242163)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高野 順平 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 教授 (70532472)
三輪 京子 北海道大学, 地球環境科学研究院, 准教授 (50570587)
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Project Period (FY) |
2019-06-26 – 2024-03-31
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Keywords | 栄養感知機構 / 下流現象 / 成長制御 / 数理モデル / リボソーム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は植物細胞の3つの異なる場での植物の栄養感知機構の解明とその下流で起こる栄養適応現象を理解することを目的としている。以下にはそれぞれの場での研究実績の概要を述べる。 細胞内については、翻訳段階での無機栄養の感知現象の構造的理解を進めるために、栄養依存的に翻訳停止しているリボソームを分画し、構造解析を進め、研究開始段階よりも高解像度での構造情報をえることができた。また生化学解析によりホウ素によって停止したリボソームに結合したtRNAの検出を行い、分子量から構造を推測した。また、リボソームタンパク質の変異株の栄養条件に応じた生育異常の解析を進め、どのような栄養条件で表現型が出るのかなどを検討した。さらに、細胞内での栄養感知によって起こる翻訳制御をゲノムワイドに調査するため、栄養条件に応じた翻訳制御をRibosome sequencing法によって解析するための準備を進め、様々な条件検討などを経てリボソームにより分解されなかったmRNA断片の集団を得て配列解析を行った。その結果栄養に応じて翻訳レベルで制御を受ける遺伝子が多数見出された。 細胞膜については、細胞膜に局在するホウ素輸送体BOR1がホウ素依存的に分解される現象について、BOR1がホウ素を感知している可能性について検討を進めた。アミノ酸配列に変異を持つ各種変異型BOR1について、ホウ素依存的な分解とホウ素輸送能を検討した。両者の間には一定の相関が認められた。また、前述のBOR1の硝酸による分解について、硝酸条件を変化させて様々な観察を行った。さらに高親和性カリウム輸送体HAK5についてカリウム依存的な分解についての予備的な実験を進めた。 細胞壁については、ホウ素欠乏での生育が野生型よりも優れた変異株の単離やその原因遺伝子の推定を進め、原因遺伝子の細胞壁のペクチンの合成への関与や細胞内局在を検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度に予定していた研究は進めることができ、概ね順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の予定通り進めていく。新型コロナウイルスの影響で対面での交流はむずかしくなっているものの、研究の推進には大きな影響があるとは考えていない。
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Research Products
(48 results)