2021 Fiscal Year Annual Research Report
マルチメッセンジャー天文学を用いた天体高エネルギー粒子起源の探求
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19J00198
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
木村 成生 東北大学, 学際科学フロンティア研究所, 特別研究員(PD) (20865795)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2022-03-31
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Keywords | ブラックホール降着流 / 天体ニュートリノ / 活動銀河核 / 連星ブラックホール / X線連星 / 孤立ブラックホール / 非熱的放射 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度はブラックホール周囲で生じる高エネルギー現象について研究を行い、以下の4編の主著論文を執筆・出版した。 1. 静穏状態のX線連星:銀河系内のブラックホールX線連星の静穏状態の可視光線とX線の放射機構と放射領域はまだ未解明である。我々は強磁場降着流からの放射が静穏状態で観測されている可視光データとX線データを無理なく説明できることを示し、電子と同時に加速された陽子は地上で観測されている高エネルギー宇宙線の起源となりうることも示した。 2. 活動銀河核中の連星ブラックホール:重力波観測により現在の恒星進化理論では説明できない質量帯域にブラックホールが存在すると示唆されており、その起源として活動銀河核中の連星ブラックホールが議論されている。我々は恒星質量ブラックホールからの円盤風を考慮し、恒星質量ブラックホールが合体する際には明るい軟X線の突発天体が生じうることを示した。 3. 低光度活動銀河核からの高エネルギー粒子:宇宙はガンマ線や高エネルギーニュートリノで満たされているが、それらの起源天体はまだわかっていない。我々は低光度活動銀河核の高温降着流からのガンマ線とニュートリノ放射を計算し、それらは観測されているMeVガンマ線データとPeVニュートリノデータを自然に説明できることを示した。 4. 孤立ブラックホールからの多波長放射:銀河系内には数億個程度の孤立ブラックホールが星間空間を漂っていると期待される。我々は孤立ブラックホール周囲には強磁場降着流から放射される可視光・X線信号を計算し、現在運用されているGaia衛星やeROSITA衛星が多くの孤立ブラックホール候補天体を発見できることを示した。これらの衛星により見つかった候補天体を多波長で追観測することで、孤立ブラックホールを他天体から区別して同定できることも示した。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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