2021 Fiscal Year Annual Research Report
連星中性子星合体から数時間後の電磁波対応天体から迫るブラックホールの活動性
Project/Area Number |
19J00214
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松本 達矢 東京大学, 理学系研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2022-03-31
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Keywords | 高エネルギー天体物理学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度はイスラエル国ヘブライ大学に滞在して在外研究に従事した。同大学のTsvi Piran教授とともにブラックホールに関連した高エネルギー天体物理学に関する研究を行なった。 まず、昨年度から継続して超巨大ブラックホールによる潮汐破壊現象に関する研究を行なった。潮汐破壊現象のプロセスはこれまで多くの研究が行われていたが、破壊後の恒星の残骸がどのように振る舞い、観測されている電磁波放射を駆動しているかはよくわかっていない。我々は特に電波放射に注目し、破壊後に期待される様々なアウトフローの性質を考慮して電波放射を計算し、観測と比較した。その結果、電波放射を説明するためには立体角の大きなアウトフローが必要があることがわかった。また、多くの潮汐破壊現象に関して相対論的ジェットは付随していない、という結果を得た。また、高エネルギーニュートリノが付随したと考えられている潮汐破壊現象AT2019dsgに関して、電波放射の解析を行い、一部の研究者によって主張されいたニュートリノが電波放射源で生成されている説を棄却した。 また、昨年度に共同研究を行なったイタリアの観測グループと共同して短いガンマ線バーストGRB 200522Aからの電波残光の解析を行い、中性子星合体後に強磁場を持つ中性子星が残されるモデルに関して制限を得た。強磁場の中性子星が残される場合、回転エネルギーを解放して放出物質に注入することで非常に明るい電波放射が期待される。今回の観測で得られた電波残光の上限から、典型的な強磁場中性子星のエネルギーでは放出物質量は約0.03太陽質量以下であるという制限を課した。この制限は今後の観測でより厳しくなる。 以上から本年度は電波放射というキーワードを元にブラックホール、また中性子星からのアウトフローを探ることでその活動性を調べる研究ができたと言える。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)