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2019 Fiscal Year Annual Research Report

脂質スフィンゴミエリンの細胞内での新たな機能:神経突起の成長をモデルとした研究

Research Project

Project/Area Number 19J00229
Research InstitutionInstitute of Physical and Chemical Research

Principal Investigator

仁木 隆裕  国立研究開発法人理化学研究所, 脳神経科学研究センター, 特別研究員(PD)

Project Period (FY) 2019-04-25 – 2022-03-31
Keywordsスフィンゴミエリン / 細胞内膜輸送 / 神経突起伸長
Outline of Annual Research Achievements

生体膜の主要な構成脂質であるスフィンゴミエリン(SM)は、神経系細胞に豊富に存在し、脳神経系の機能発現に重要な役割を担うと推察されている。しかし、神経組織でのSMの細胞内局在・細胞内領域特異的な作動機序については不明である。これまで、非神経系細胞でのSMの細胞内オルガネラ分布や細胞内膜輸送への寄与を明らかにしてきた。また、SM結合・近傍タンパク質として、膜輸送制御、神経成長・再生に関するタンパク質を数多く同定した。以上から、生体膜のダイナミクスを介して突起の形態を複雑に変化させる神経細胞においても、SMが細胞内膜輸送やシグナル伝達の制御を通じてこれらの細胞機能を担うと示唆される。
当該年度では、独自に開発したSMプローブを用いて、伸長過程にある神経突起という微小領域において、細胞内のSM膜動態を可視化することに成功した。可視化された細胞内SMは、神経膠細胞・神経細胞の細胞体においては、これまでに報告した非神経系細胞と同様のオルガネラ分布を示したが、神経突起内においては、非常に動的な小胞として存在し、既存のオルガネラマーカーとはあまり共局在しなかった。一方、これまでに同定したSM近傍に存在する膜輸送制御因子や神経突起伸長を駆動するタンパク質の中には共局在するものもあった。
神経突起伸長に関わる外来因子の多くは細胞質カルシウムイオン(Ca)濃度を上昇させ、エクソサイトーシスやエンドサイトーシスといった膜輸送を介して突起伸長を制御する。当該年度では、細胞質Ca濃度の上昇に伴い、神経突起内のSMが特殊な膜ドメインを形成し膜動態を顕著に変化させることを見出した。また、このSM膜ドメインには細胞質Caに依存的な膜輸送に関わるタンパク質群が濃縮していた。すなわち、突起伸長を駆動する細胞内膜輸送の制御システムは、SMを介した細胞内微小ゾーンで作動するという新たな分子基盤が予想される。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

独自に開発したプローブを用いて、神経突起先端部という微小領域においても細胞内SMを高分解能で追跡することに成功し、突起先端部における細胞内SMの特徴的な時空間的分布を詳細に明らかにした。また、細胞質Ca濃度上昇に応じて形成される特殊なSMマイクロドメインの存在を見出し、神経突起伸長を時空間的に制御する新たな分子基盤の一端を見出した。

Strategy for Future Research Activity

前年度に引き続き、細胞質Caにより制御されるSM膜動態が駆動する分子基盤の解明を目指す。また、細胞内SMの局在操作やSM近傍の膜輸送制御タンパク質の発現抑制などを通じ、細胞内SMと膜動態との機能的因果関係を検証する。

  • Research Products

    (1 results)

All 2019

All Presentation (1 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results)

  • [Presentation] Generation of non-toxic Equinatoxin-II unveiled intracellular distribution of sphingomyelin in the cytosolic leaflet of biomembranes2019

    • Author(s)
      Takahiro Niki, Asami Makino, Kojiro Mukai, Toshihide Kobayashi, Tomohiko Taguchi, Hiroyuki Arai
    • Organizer
      ICBL2019
    • Int'l Joint Research

URL: 

Published: 2021-01-27  

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