2021 Fiscal Year Annual Research Report
高校移行にともなう発達多様性の発生メカニズム:大規模縦断調査による解明
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19J00270
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
飯村 周平 東京大学, 教育学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2022-03-31
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Keywords | 環境感受性 / 思春期発達 / 社会情緒的適応 / 第二次性徴 / 差次感受性 / 感覚処理感受性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の最終的な目的は、学校環境の変化にともなう青年の発達的な個人差メカニズムを解明することであった。この目的を達成するため、2つの個人差要因として、環境に対する感受性(環境感受性)と第二次性徴として知られる思春期発達の役割に着目した。ただし、本研究課題は、学校移行の前後にわたって、縦断的な調査をする予定であったが、残念ながら新型コロナウイルスの完成拡大の影響を受けて、一部の計画を変更せざるを得なかった。そうした制限の中、本研究によって得られた成果は以下のとおりである。 第一は、正負の環境からの影響の受けやすさを表す環境感受性を測定するHighly Sensitive Person Scale日本語10項目版およびHighly Sensitive Child Scale日本語21項目版の作成である。本研究の対象者である児童期・青年期の子どもたちが自己報告でき、かつ信頼性と妥当性が一定水準確認された尺度が作成され、この研究領域を発展させるための礎をつくることに貢献した。 第二は、青年の社会情緒的適応メカニズムの解明である。当初の計画通り、2つの個人差要因である環境感受性と思春期発達の役割を検討した。その結果、男子では環境感受性と思春期発達の交互作用によって異なる抑うつ症状への関与が認められた。具体的には、感受性が高い12~13歳の男子ほど、身体的な成長の早さから恩恵を受けやすく、成長が遅い男子よりも抑うつ症状が低かった。一方で、女子においてはこうした交互作用はみられなかった。 高校移行という要因の検討は叶わなかったが、本研究の成果は、青年の社会情緒的適応の個人差メカニズムに対する理解をより一歩前進させるものと期待できる。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)