2021 Fiscal Year Annual Research Report
Lineage dynamics and heterogeneity of primordial germ cells contributing spermatogenesis
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19J00410
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Research Institution | National Institute for Basic Biology |
Principal Investigator |
池田 達郎 基礎生物学研究所, 生殖細胞研究部門, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2022-03-31
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Keywords | マウス / 始原生殖細胞 / 精子幹細胞 / 次世代 / 細胞系譜 / クローン / バーコード |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度末に実施したSequelシーケンシングのデータ解析から、次の2点を示唆する結果が得られた。(1)初期の数十個の始原生殖細胞(PGCs)、および精巣に入った数千個のPGCsをバーコード標識して追跡した場合、個々のPGCに由来する子孫細胞(PGCクローン)の種類数は胎仔から成体まで大きく変化しない。したがって、先行研究で提唱されていた大規模なクローンの削減は生じておらず、系譜の多様性が成体まで維持されている。(2)初期のPGCsに由来するクローンは胎仔期に不均一に拡大し、生じた個々のPGCクローンの相対頻度(PGCクローンサイズ)の不均一性は成体まで継続して保持される。 また、初期PGCsをバーコーディングし性成熟した雄を複数の雌と交配して、産仔に現れるバーコードを測定する実験を2020年度から継続していた。雄が一年齢に達するまで産仔を得たのち、父親の精巣を取得して精子幹細胞およびバルク精巣細胞に含まれるバーコードをSequelシーケンシングした。父親精巣と仔のバーコードを比較した結果、次の結果が得られた。(1)精巣に含まれるバーコードのうち1/2~1/3が仔に現れた。(2)PGCクローンサイズは、精子幹細胞、バルク精巣(主に精子)、および産仔の間で非常に強く相関した。この結果は、(1)多様なPGCクローンに由来する仔が生じる一方で、(2)精子幹細胞で高い占有を示すPGCクローンは比例的に多数の精子を産生し、結果として多数の次世代の仔に寄与する、ことを強く示唆している。 以上のバーコードデータの数理的評価に必要な、胎仔精巣中のPGC数を画像解析で定量する実験系も、共同研究により完成し測定を開始している。 他方で、当初計画していたバーコードと遺伝子発現のシングルセル同時測定は、マウスおよび機器の搬入の遅れから条件検討のみ達成できた。遠からずクローンと相関する遺伝子発現を探索できるに違いない。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)