2020 Fiscal Year Annual Research Report
日本のカリガラスはどこから来たのか,非破壊オンサイト分析により明らかにする
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19J00480
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
村串 まどか 筑波大学, 人文社会系, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2022-03-31
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Keywords | 古代ガラス / 蛍光X線分析 / 非破壊オンサイト分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、国内外各地のガラス製品(主にガラス玉類)を対象に、可搬型蛍光X線分析装置を用いた非破壊オンサイト分析によってガラス製品の化学組成データを収集していくことが根幹となる。本年度は、前年度から取り組んでいた宗像大社のガラスの補足調査および調査成果に関する打ち合わせを実現するなど従来の研究活動を可能な限り継続させた。しかし、活動制限により研究計画の大きな変更は避けられず、研究対象についても見直しを行った。まず、対象が国内にある資料に限定されることを受け、方針変更した研究課題に対応する資料の選定を進めた。そのため、実施できた分析調査には限りがあり、データの収集については順調に進められなかった。一方で当初の計画の中で具体化していなかったが、東海地方(静岡県)で出土した資料の調査を2回ほど実施し、新たな研究資料を対象とするなど、部分的ではあるが新たな研究フィールドの開拓ができた。研究の根幹となる非破壊オンサイト分析の調査は難航したが、情報収集など継続する研究の基礎となる活動は進めることができた。 また、現地調査が制限された反面、研究手法・環境の整備、前年度から注力していた研究内容の解析やまとめなどに集中することができ、一つの研究テーマを論文としてまとめることができた。 当初の予定より資料調査の実施件数は減少したが、前年度までの研究内容の整理などを重点的に行い、学会での報告や論文発表など研究成果の公表を進めることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
活動制限による研究計画の変更に伴い研究対象も見直したことで、本年度の調査件数が減少したため、データの蓄積はあまり進められなかった。本研究の成果を支えるのは、非破壊オンサイト分析によって得られた対象資料(ガラス製品)の化学組成データの蓄積であるため、調査件数が減ってしまったことは、進捗に滞りが生じる要因となった。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の研究計画の変更方針は次年度にも引き継がれ、国内資料の調査が主軸となる見込みである。計画まで立てたものの、本年度内の実施が見送りとなった調査予定が複数あるため、次年度にはそれらを実現していきたい。また、今年度新たに獲得できた研究フィールドについては、継続して取り組んでいく予定である。調査対象は当初の計画から変更が生じてしまったが、実施可能な資料調査に積極的に取り組み、データの蓄積を進めていきたい。
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