2021 Fiscal Year Annual Research Report
筋細胞における管状エンドソームの役割と組織特異的な形成機構の解明
Project/Area Number |
19J00533
|
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
衞藤 貫 熊本大学, 発生医学研究所, 特別研究員(PD)
|
Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2022-03-31
|
Keywords | 管状エンドソーム |
Outline of Annual Research Achievements |
私は、これまでの研究の過程で、培養細胞を用いた実験系により、管状エンドソームは筋細胞特異的に形成されるオルガネラであることを見出した。また、ショウジョウバエをモデル系として生細胞イメージングを行うことで、培養細胞だけでなく実際に生きた個体の筋細胞においても管状エンドソームが形成されることを明らかにした。さらに、ショウジョウバエを用いて筋細胞特異的に管状エンドソームの必須制御因子Rab10のドミナントネガティブ変異体を過剰発現することで、「蛹を形成するために培養容器の壁を登るステップ」及び「蛹の殻を破る(羽化)ステップ」といった筋細胞を必要とする発生段階が阻害されることがわかった。本年度は、筋細胞特異的なRab10の阻害による筋細胞の構造や機能への影響を評価した。方法は、GAL4-UASシステムにより筋細胞特異的にmCD8-GFP(細胞膜・T管マーカー)を発現するショウジョウバエと筋細胞特異的にRab10をノックダウンするショウジョウバエを掛け合わせることで、管状エンドソームと筋細胞の膜構造の関係性を検討した。その結果、筋細胞特異的にRab10の機能を欠損すると筋細胞の形態に異常を来たし、個体の運動に悪影響を及ぼすことがわかった。正常な個体では、筋細胞は細胞外マトリックスと強固に結合し、適切な形態(棒状の構造)を維持しているが、筋細胞特異的にRab10をノックダウンした個体では筋細胞は細胞外マトリックスから剥がれ落ち、丸まった構造をとることがわかった。過去の報告によると、これまでの研究により管状エンドソームの積荷として同定した接着分子Integrin-b1のノックダウンも同様の表現型を示す。従って、筋細胞において管状エンドソームはIntegrin-b1を細胞表面に輸送することで、周囲の細胞外マトリックスとの接着を促進し、筋細胞の形態維持に寄与すると予想される。
|
Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(1 results)